FP2級過去問題 2020年1月学科試験 問24

問24

株式の信用取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 証券会社に委託保証金を差し入れて、資金を借りて株式を購入したり、株券を借りて売却したりする取引を信用取引という。
  2. 信用取引には、返済期限や対象銘柄等が証券取引所等の規則により定められている一般信用取引と、返済期限や対象銘柄等を顧客と証券会社との契約により決定することができる制度信用取引がある。
  3. 信用取引の委託保証金は、現金で差し入れることが原則であるが、国債や上場株式など一定の有価証券で代用することもできる。
  4. 信用取引において、委託保証金率が30%である場合、既存の建玉のない状態で300万円の委託保証金を現金で差し入れたときは、約定金額1,000万円まで新規建てをすることができる。

正解 2

問題難易度
肢17.4%
肢250.6%
肢315.7%
肢426.3%

解説

  1. 適切。信用取引とは、投資家が証券会社に委託保証金を差し入れて、資金や株式を借りて行う売買取引です。
    信用取引とは、投資家が証券会社に委託保証金を差し入れて、資金や株式を借りて行う売買取引である。2019.9-25-1
  2. [不適切]。信用取引には、一般信用取引と制度信用取引があります。
    一般信用取引
    顧客と証券会社の契約に基づく契約
    制度信用取引
    証券取引所の規則等に基づく契約
    本肢の記述は逆の説明をしています。
    信用取引には、証券取引所の規則等に基づく一般信用取引と、顧客と証券会社の契約に基づく制度信用取引がある。2017.5-24-2
  3. 適切。委託保証金は、現金以外に上場株式やETFなど一定の有価証券で代用することができます(ただし非上場株式は×)。なお、現金以外を差し入れた場合は時価の100%ではなく、上場株式80%、国債95%など所定の掛け目を乗じて評価されます。
    信用取引では、委託保証金を差し入れる場合、一定の条件の下で現金の代わりに株式や公社債などの有価証券をもって代用することもできる。2019.9-25-3
    信用取引における委託保証金は現金に限られており、債券や株式などで代用することはできない。2017.5-24-3
    信用取引における委託保証金は、原則として、現金のほか一定の債券や株券などで代用することができる。2013.1-26-2
  4. 適切。委託保証金率とは、約定代金総額に対して必要な委託保証金の割合です。委託保証金が30%である場合に、300万円の委託保証金を金銭で差し入れたときは「300万円÷30%=1,000万円」までの取引が可能になります。
    委託保証金率が30%である場合に、30万円の委託保証金を金銭で差し入れたときは、約定金額100万円まで新規建てすることができる。2017.1-24-2
したがって不適切な記述は[2]です。