FP2級 2017年1月 実技(金財:個人)問11

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問11

甲土地および乙土地を一体とした土地上に耐火建築物を建築する場合、建ぺい率の上限となる建築面積および容積率の上限となる延べ面積を求める次の〈計算式〉の空欄①~④に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

〈計算式〉
1.建ぺい率の上限となる建築面積
  • 第一種住居地域部分 360㎡×()%=□□□㎡
  • 近隣商業地域部分 300㎡×□□□%=□□□㎡
     したがって□□□㎡+□□□㎡=□□□㎡
2.容積率の上限となる延べ面積
  1. 容積率の判定
    • 甲土地部分
      指定容積率:200%
      前面道路幅員による容積率の制限:()%
       したがって□□□%
    • 乙土地部分
      指定容積率:300%
      前面道路幅員による容積率の制限:360%
       したがって□□□%
  2. 容積率の上限となる延べ面積
    • 甲土地部分:360㎡×□□□%=□□□㎡
    • 乙土地部分:300㎡×□□□%=()㎡
       したがって□□□㎡+()㎡=()㎡

正解 

① 80(%)
② 240(%)
③ 900(㎡)
④ 1,620(㎡)

分野

科目:E.不動産
細目:3.不動産に関する法令上の規制

解説

〔①について〕
建ぺい率は、指定建ぺい率に建築基準法で定める緩和を加味して決定します。
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本問では甲土地が準防火地域、乙土地が防火地域ですが、建物が防火地域と準防火地域に渡る場合には、敷地全てを防火地域とみなして計算します。そうすると、防火地域内に建てる耐火建築物に該当するため10%の緩和を受けられます。
そして、設例の注記※にあるように甲土地と乙土地の一体地は、建ぺい率の緩和について特定行政庁が指定する角地です。したがって、さらに10%の緩和を受けられます。

以上より、甲土地部分に係る建築面積の限度を計算する際に使用する建ぺい率は「60%+20%=80%」です。
よって、正解は80(%)になります。

〔②について〕
容積率には前面道路幅員による制限があり、その敷地の前面道路の幅員が12m未満の場合、次の2つのうち小さい方が適用されます。
  • 都市計画における指定容積率
  • 前面道路の幅×法定乗数
設問の事例では、甲土地の前面道路幅員による容積率の制限は、前面道路の幅×法定乗数の「6m×0.4=2.4=240%」です。
※甲土地・乙土地を一体として利用するため、乙土地に面している6m道路を前面道路とできます。
よって、正解は240(%)になります。

〔③、④について〕
甲土地・乙土地の延べ面積を計算し、それを合算します。

[甲土地部分]
指定容積率200%、前面道路の制限240%なので、2つを比べて低い200%を使用して計算します。甲土地の面積は360㎡なので、

 360㎡×200%=720㎡

[乙土地部分]
指定容積率300%、前面道路の制限「6m×0.6=3.6=360%」なので、2つを比べて低い300%を使用して計算します。乙土地の面積は300㎡なので、

 300㎡×300%=900㎡ …③の答え

[敷地全体の延べ面積]
 720㎡+900㎡=1,620㎡ …④の答え

よって、③900(㎡)、④1,620(㎡)が正解です。