FP2級過去問題 2017年5月学科試験 問27(改題)

問27

NISA(少額投資非課税制度)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、NISAにより投資収益が非課税となる口座をNISA口座といい、特定非課税累積投資契約による非課税口座のうち、特定非課税管理勘定を「成長投資枠」という。
  1. NISA口座内の上場株式等の譲渡損失の金額については、確定申告を行うことにより、同一のNISA口座で受け取った配当金等と損益通算することができる。
  2. NISA口座で保有する上場株式の配当については、その受領方法にかかわらず、非課税の適用を受けることができる。
  3. 「成長投資枠」に新規投資できる非課税枠は年間240万円が上限であるが、その年の非課税枠の未使用分については、翌年以降に繰り越すことができない。
  4. 「成長投資枠」に受け入れることができる金融商品には、上場株式、不動産投資信託(J-REIT)、公募株式投資信託、個人向け国債、社債、公社債投資信託などがある。

正解 3

問題難易度
肢15.1%
肢27.0%
肢378.2%
肢49.7%

解説

  1. 不適切。NISA口座で生じた譲渡損失はなかったものとされるので、一般口座や特定口座で生じた譲渡益や配当金との損益通算をすることはできません。
    「成長投資枠」内の上場株式等の譲渡損失の金額については、確定申告を行うことにより、同一のNISA口座で受け取った配当金等の金額と損益通算することができる。2018.1-29-3
    「成長投資枠」を通じて購入した上場株式等を売却することにより生じた損失は、確定申告することにより、一般口座や特定口座で保有する他の上場株式等の配当金等や譲渡益と通算することができる。2016.9-28-3
    「成長投資枠」を通じて購入した上場株式等を売却することにより生じた損失は、確定申告することにより、同じNISA口座で保有する他の上場株式等の配当金等や譲渡益と通算することができる。2016.1-28-2
  2. 不適切。配当金の受取方法には「株式数比例配分方式」や「配当金領収証方式」など4種類ありますが、NISA口座で受け取った配当金を非課税扱いするためには「株式数比例配分方式」を選択する必要があります。株式数比例配分方式は、口座ごとの保有する株式数に応じて証券口座で配当等を受け取る方法です。
  3. [適切]。成長投資枠・つみたて投資枠のいずれも、未使用分の非課税枠を翌年以降に繰り越すことはできません。成長投資枠では年間240万円までの非課税投資が可能ですが、その年に200万円しか購入しなかった場合でも、翌年に未使用分の40万円を合わせて280万円まで投資できるわけではないということです。
    「成長投資枠」では、その年の非課税枠の未使用分については、翌年以降に繰り越すことができる。2018.9-30-2
    「成長投資枠」では、その年の非課税枠の未使用分については、翌年以降に繰り越すことができる。2018.5-29-2
    「成長投資枠」の2025年分の新規投資における非課税枠は240万円が上限であるが、その年の非課税枠の未使用分については、翌年以降に繰り越すことができない。2018.1-29-2
    「つみたて投資枠」の非課税枠には年間120万円の上限があり、その上限に達していない未使用分については、翌年以降に繰り越すことができない。2016.9-28-2
  4. 不適切。成長投資枠に受け入れることができる金融商品は、国内外の上場株式・不動産投資信託(J-REIT)・公募株式投資信託などの一定程度のリスクがある資産に限られます。リスクの低い個人向け国債、社債、公社債投資信託などに投資することはできません。
    「つみたて投資枠」に受け入れることができる上場株式等には、公募株式投資信託のほかに、公募公社債投資信託も含まれる。2016.9-28-1
したがって適切な記述は[3]です。