FP2級 2017年5月 実技(金財:生保)問12

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問12

Aさんの2023年分の所得税の算出税額を計算した下記の表の空欄①~③に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
12_1.png./image-size:391×300
12_2.png./image-size:469×186
12_3.png./image-size:319×216

正解 

① 8,300,000(円)
② 630,000(円)
③ 632,500(円)

分野

科目:D.タックスプランニング
細目:2.所得税の仕組み

解説

〔①について〕
Aさんのは給与収入と一時所得があります。

[給与所得]
まず給与収入から給与所得の金額を計算します。給与所得の金額は「収入金額-給与所得控除額」で計算します。また、Aさんには23歳未満の扶養親族がおり給与収入が850万円超なので、所得金額調整控除(子ども等)の計算も必要になります(給与所得から控除)。

給与収入が1,000万円なので、<資料>より給与所得控除額は上限の「195万円」です。所得金額調整控除額(子ども等)は「(給与収入金額-850万円)×10%(上限15万円)」で計算するので、

 所得金額調整控除額=(1,000万円-850万円)×10%=15万円(※上限)

給与所得の金額は、給与収入金額から上記2つの控除額を差し引いて、

 給与所得=1,000万円-195万円-15万円=790万円

[一時所得]
一時所得は以下の計算式で求めます。
12.png./image-size:467×66
総収入金額は満期保険金額、収入を得るために支出した金額は払込済保険料ですので、

 (480万円+530万円)-(380万円+500万円)-50万円=80万円
 80万円×1/2=40万円

[総所得金額]
 給与所得790万円+一時所得40万円=830万円になります。

よって、正解は8,300,000(円)になります。

〔②について〕
扶養控除は、納税者本人と生計を一にする親族のうち、合計所得金額48万円以下(給与収入だけの場合は103万円以下)の人がいる場合に適用を受けることができます。
該当するのは三女Eさんのみになり、19歳以上23歳未満の特定扶養親族に該当するので控除額は63万円になります。長女と二女は合計所得金額が48万円を超えているため扶養控除の対象外です。
よって、正解は630,000(円)になります。

〔③について〕
所得税額を求めるには、まず課税所得金額を算出する必要があります。課税所得金額は「総所得金額-所得控除の額の合計額」で算出するので、

 830万円-300万円=530万円

この金額と<資料>所得税の速算表を基に所得税額を計算します。

 530万円×20%-42万7,500円=63万2,500円

よって、正解は632,500(円)になります。