FP2級 2018年5月 実技(金財:個人)問5

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問5

Mさんは、Aさんに対して、X社株式およびY社株式の投資指標のデータについて説明した。《設例》に基づき、Mさんが説明した以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を下記の〈語句群〉のイ~ヲのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。

 「株式の代表的な投資指標として、PERとPBRがあります。X社株式の場合、PERは()倍、PBRは()倍と算出されます。この2つの指標からX社とY社の株価を比較すると、()のほうが割安であるといえます。
 また、配当金額から株主への利益還元度合いを測る指標として、配当性向があります。Y社株式の配当性向を算出すると、()%となります」
  1. イ.0.5
  2. ロ.0.6
  3. ハ.1.1
  4. ニ.1.4
  5. ホ.15
  6. ヘ.25
  7. ト.35
  8. チ.40
  9. リ.50
  10. ヌ.60
  11. ル.X社
  12. ヲ.Y社

正解 

分野

科目:C.金融資産運用
細目:5.株式投資

解説

〔①について〕
PERとは株価収益率のことで、株価が1株当たり純利益の何倍かを示す指標です。

 PER(倍)=株価÷1株当たり年間純利益

発行済株式総数2億株で80億円の純利益があるので、1株当たりの当期純利益は「80億÷2億株=40円」です。株価は1,400円ですので、X社株式のPERは、

 1,400円÷40円=35倍

よって、正解は[ト]の35(倍)になります。

〔②について〕
PBRは株価純資産倍率のことで、株価が1株当たり純資産の何倍であるかを示す指標です。

 PBR(倍)=株価÷1株当たり純資産

発行済株式総数2億株で純資産2,000億円なので、1株当たりの純資産は「2,000億÷2億株=1,000円」です。株価は1,400円ですので、X社株式のPBRは、

 1,400円÷1,000円=1.4倍

よって、正解は[ニ]の1.4(倍)になります。

〔③について〕
①②と同じ手順でY社株式のPERとPBRを求める必要があります。

[Y社株式のPER]
発行済株式総数5億株で150億円の純利益があるので、1株当たりの当期純利益は「150億÷5億株=30円」です。株価は600円ですので、

 600円÷30円=20倍

[Y社株式のPBR]
発行済株式総数5億株で純資産3,600億円なので、1株当たりの純資産は「3,600億÷5億株=720円」です。株価は600円ですので、

 600円÷720円≒0.83倍

PERとPBRともに、より低い値であるほど割安と判断されるので、どちらについても低い値であるY社の方が割安と言えます。
よって、正解は[ヲ]のY社です。

〔④について〕
配当性向というのは、当期純利益のうち株主に配当金として還元した割合を示す指標です。

 配当性向(%)=1株当たり年間配当金÷1株当たり当期純利益×100

Y社の1株当たりの年間配当金は15円、1株当たり当期純利益は「150億÷5億株=30円」なので、配当性向は、

 15円÷30円×100=50%

よって、正解は[リ]の50(%)になります。