FP2級過去問題 2018年9月学科試験 問60(改題)

問60

2024年中に開始する相続に係る相続税および2024年中の贈与に係る贈与税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 被相続人の課税遺産総額に、その法定相続人の法定相続分を乗じた金額が6億円を超える場合、その超える部分に係る相続税の税率は最高税率の55%である。
  2. 2024年1月1日において18歳以上の孫が、祖父から2024年中に財産の贈与を受け、暦年課税の適用を受けた場合の贈与税額は、特例税率(特例贈与財産に適用される税率)を適用して計算する。
  3. 「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受ける場合でも、所定の要件を満たしていれば、相続時精算課税の適用を受けることができる。
  4. 「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」における非課税拠出額の限度額は、受贈者1人につき1,500万円である。

正解 4

問題難易度
肢111.7%
肢215.7%
肢320.3%
肢452.3%

解説

  1. 適切。相続税の税率は、10%から55%までの8段階あり、各法定相続人に応ずる取得金額が6億円を超える場合は最高税率の55%となります。
    課税遺産総額に法定相続人の法定相続分を乗じた金額が6億円を超える場合、その超える部分についての相続税の税率は55%である。2016.9-60-1
  2. 適切。贈与税の税率には、直系尊属が18歳以上の子や孫に贈与したとき用の特例税率と、それ以外の一般税率があります。本肢は、祖父から18歳以上の孫への贈与なので特例税率の適用対象です。
  3. 適切。「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」と相続時精算課税制度は併用可能です。本特例の適用を受ける場合は、贈与者の推定相続人以外の者への贈与にも相続時精算課税制度を適用できるという利点があります。
    2017年度税制改正において、非上場株式等についての贈与税の納税猶予および免除の特例を受ける場合の贈与税額の計算に当たって、相続時精算課税を適用できることとなった。2018.1-60-4
  4. [不適切]。1,500万円ではありません。結婚・子育て資金に充てるためにその直系尊属が金銭等を拠出し、金融機関に信託等をした場合には、受贈者1人につき1,000万円までの贈与額が非課税になります。ただし、結婚に際して支払う金銭は300万円が限度です。
    「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」における非課税拠出額の限度額は、受贈者1人につき1,500万円である。2016.9-60-4
したがって不適切な記述は[4]です。