FP2級 2018年9月 実技(FP協会:資産設計)問5

問5

下記<資料>は、千田さんが同一の特定口座内で行ったPA株式会社の株式の取引に係る明細である。千田さんが2023年9月3日に売却した1,000株について、譲渡所得の取得費の計算の基礎となる1株当たりの取得価額として、正しいものはどれか。なお、計算結果について円未満の端数が生じる場合には切り捨てること。
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  1. 500円
  2. 560円
  3. 580円
  4. 620円

正解 3

分野

科目:C.金融資産運用
細目:10.金融商品と税金

解説

同一の株式を複数回に分けて購入した場合、売却時の譲渡所得の取得費の計算に用いる1株当たりの取得価額は、総平均法に準ずる方法により求めます。総平均法とは、銘柄ごとに購入総額を購入総数で割って1株当たりの取得価額を求める方法です。

[2023年9月3日までの買付合計]
2021年10月3日 … 5,000円×1,000株=5,000,000円
2022年8月1日 … 6,200円×2,000株=12,400,000円

よって、買付の合計額は、
 5,000,000円+12,400,000円=17,400,000円

さらに本問では売却までの間に株式分割があります。株式分割とは、企業が資本金を変えずに1株を複数の株に細かく分けることです。<資料>では「株式分割1:10」と記載されていますが、これは1株を10株に分割したことを示しています。これにより、保有する株数は10倍に、株価は1/10になります。

買付した株数の合計は「1,000+2,000=3,000株」、株式分割で株数が10倍になっているので2023年9月3日時点の株数は30,000株となります。よって、9月3日の売却に際して適用される1株当たりの取得金額は、

 17,400,000円÷30,000株=580

したがって[3]が正解です。