FP2級過去問題 2019年1月学科試験 問1

問1

ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、職業倫理や関連法規に照らし、最も不適切なものはどれか。
  1. FPのAさんは、顧客から外貨定期預金の運用に関する相談を受け、為替レートが変動した場合のリスクについて説明した。
  2. FPのBさんは、顧客から上場投資信託(ETF)に関する相談を受け、商品の概要を説明したうえで、元本保証がないことを説明した。
  3. FPのCさんは、賃貸アパートの建設に関する相談を受け、顧客から預かったデベロッパーの事業計画書を、顧客の同意を得ることなく、紹介予定の銀行の担当者に融資の検討資料として渡した。
  4. FPのDさんは、顧客から公正証書遺言の作成時の証人になることを要請され、証人としての欠格事由に該当しないことを確認したうえで、適正な対価を受けて証人になった。

正解 3

問題難易度
肢11.3%
肢22.0%
肢394.2%
肢42.5%

解説

  1. 適切。金融商品取引業者の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーは、投資顧問契約に基づく助言や代理に係る業務はできませんが、一般的な資料の提供や運用リスクの説明はすることは可能です。
  2. 適切。金融商品取引業者の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーは、投資顧問契約に基づく助言や代理に係る業務はできませんが、一般的な資料の提供や商品の説明はすることができます。
  3. [不適切]。ファイナンシャル・プランナーは、業務上知り得た顧客の情報を、正当な理由なく第三者に漏らしてはなりません(守秘義務の順守)。他の専門家に顧客情報を提供する場合には必ず顧客に説明して同意を得る必要があります。
    賃貸アパートの建設に関する相談を受けたファイナンシャル・プランナーが、顧客から預かったデベロッパーの事業計画書を、顧客の同意を得ることなく、融資検討資料として紹介予定の銀行の担当者に渡した。2017.9-1-2
  4. 適切。司法書士ではないファイナンシャル・プランナーは、登記または供託に関する手続きの代理を行うことはできませんが、公正証書遺言の証人には特別な資格を有する必要はないので、欠格事由に該当していなければ、有償無償を問わず証人になることができます。
    弁護士の登録を受けていないFPのDさんは、顧客から公正証書遺言の作成時の証人になることを要請され、証人としての欠格事由に該当しないことを確認したうえで、有償で証人になった。2024.9-2-4
    FPのDさんは、顧客から公正証書遺言の作成時の証人になることを求められ、証人としての欠格事由に該当しないことを確認して、証人として立ち会った。2020.9-1-4
したがって不適切な記述は[3]です。