FP2級 2019年5月 実技(金財:個人)問15

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問15

Aさんの相続等に関する以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句を、下記の〈語句群〉のイ~ルのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。
  1. 「妻Bさんが自宅の敷地および建物を相続により取得し、自宅の敷地(相続税評価額7,500万円)のすべてについて、『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けた場合、相続税の課税価格に算入すべき価額を()とすることができます。また、『配偶者に対する相続税額の軽減』の適用を受けた場合、妻Bさんが相続により取得した財産の金額が、配偶者の法定相続分相当額と()とのいずれか多い金額までであれば、妻Bさんが納付すべき相続税額は算出されません」
  2. 「相続人間で争いが起こり、相続税の申告期限までに遺産分割協議が調わなかった場合、相続税の申告時において、未分割の財産に対して『配偶者に対する相続税額の軽減』や『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けることができません。その場合、相続税の申告の際に『申告期限後()以内の分割見込書』を提出し、申告期限後()以内に遺産分割協議が成立すれば、これらの特例の適用を受けることが可能となり、分割後()以内に更正の請求を行うことができます」
  1. イ.1,500万円
  2. ロ.3,750万円
  3. ハ.6,000万円
  4. ニ.1億2,000万円
  5. ホ.1億6,000万円
  6. ヘ.1億8,000万円
  7. ト.4カ月
  8. チ.10カ月
  9. リ.1年
  10. ヌ.3年
  11. ル.5年

正解 

分野

科目:F.相続・事業承継
細目:4.相続と税金

解説

〔①について〕
「特定居住用宅地等」は330㎡までを限度に80%減額されます。
自宅の敷地は330㎡なのですべての部分が適用対象となり、7,500万円の80%が減額されます。相続税の課税価格に算入すべき価額は以下のように計算できます。

 減額分=7,500万円×80%=6,000万円
 算入すべき価額=7,500万円-6,000万円=1,500万円

よって、正解は[イ]の1,500万円になります。

〔②について〕
配偶者に対する相続税額の軽減は、法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い金額まで相続または遺贈による財産の取得が非課税になります。
よって、正解は[ホ]の1億6,000万円になります。

〔③について〕
申告期限までに遺産分割が整わない場合、基本的に未分割の財産については税額軽減などの適用を受けられません。しかし、「申告期限後3年以内の分割見込書」を相続税の申告期限までに提出して、実際に3年以内に分割すれば遡って適用を受けることができることになっています。
なお、未分割の場合、相続税の申告期限の段階では、各相続人が法定相続分で相続したとして計算した相続税を納付することになります。
よって、正解は[ヌ]の3年になります。

〔④について〕
③の分割後、相続税額の再計算により納付すべき相続税額が減った相続人は、4カ月以内に更正の請求を行うことで差額の還付を受けられます。逆に納付すべき相続税額が増えた相続人は修正申告を行って差額を納付します(延滞税や過少申告加算税は課されない)。
よって、正解は[ト]の4カ月になります。