FP2級 2019年9月 実技(金財:個人)問13(改題)

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問13

X屋の事業承継に関する以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のイ~ルのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。
  1. 「2019年度税制改正において、個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予および免除の特例(以下、「本特例」という)が創設されました。本特例の適用を受けた場合、後継者が先代事業者から贈与または相続等により取得した特定事業用資産に係る贈与税・相続税の()の納税が猶予されます。後継者は、2019年4月1日から2026年3月31日まで個人事業承継計画を()に提出し、確認を受ける必要があります。また、特定事業用資産とは、先代事業者の事業の用に供されていた宅地等(()㎡まで)、建物(床面積800㎡まで)、その他一定の減価償却資産で青色申告書の貸借対照表に計上されていたものをさします」
  2. 「長男CさんがAさんの相続によりX屋店舗敷地を取得した場合、所定の要件を満たすことで、特定事業用宅地等として、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けることができます。特定事業用宅地等に該当するX屋店舗敷地は、()㎡までの部分について、通常の価額から80%相当額を減額した金額を、相続税の課税価格に算入すべき価額とすることができます」
  3. 「本特例の適用を受けて相続等により取得した事業用の宅地は、特定事業用宅地等に係る小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の対象()」
  1. イ.240
  2. ロ.330
  3. ハ.400
  4. ニ.75%相当額
  5. ホ.90%相当額
  6. ヘ.全額
  7. ト.経済産業大臣
  8. チ.都道府県知事
  9. リ.所轄税務署長
  10. ヌ.となります
  11. ル.とはなりません

正解 

分野

科目:F.相続・事業承継
細目:9.事業承継対策

解説

〔①について〕
「個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予および免除の特例」は、別名「個人版事業承継税制」と呼ばれ、個人事業者の事業承継対策の一環として創設された制度です。
本特例では、2019年1月1日から2028年12月31日までの間に、先代事業者からの贈与または相続により後継者が取得した特定事業用資産の課税価格に対する全ての贈与税・相続税を、一定の要件のもとに猶予するものです。そして、先代事業者が死亡した場合には、贈与税・相続税の一部または全部が免除されます。
よって、正解は[ヘ]の全額になります。

〔②について〕
本特例の適用を受けるためには、2026年3月末までに中小企業庁の認定支援機関の指導による「個人事業承継計画」を都道府県に提出する必要があります。
よって、正解は[チ]の都道府県知事になります。

〔③について〕
本特例で、特定事業用資産とされているものには以下のようなものがあります。
  1. 宅地等(400㎡まで)
  2. 建物(床面積800㎡まで)
  3. 減価償却資産のうち所定のもの
よって、正解は[ハ]の400(㎡)になります。

〔④について〕
本特例によって取得した宅地には、特定事業用宅地等として「小規模宅地の評価減の特例」の対象にはなりません。
よって、正解は[ル]のとはなりませんになります。

参考URL: 国税庁HP 個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし
 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/jigyo-shokei/pdf/0019004-009.pdf