FP2級過去問題 2020年1月学科試験 問60

問60

民法上の遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 自筆証書遺言の内容を変更する場合には、遺言者が変更箇所を指示し、これを変更した旨を付記したうえでこれに署名し、かつ、その変更箇所に押印しなければならない。
  2. 自筆証書遺言を作成する場合、自筆証書に添付する財産目録についても、自書しなければならない。
  3. 相続人が自筆証書遺言を発見し、家庭裁判所の検認を受ける前に開封した場合であっても、開封したことをもって、その遺言書が直ちに無効となるわけではない。
  4. 公正証書遺言を作成した遺言者が、自筆証書遺言も作成し、それぞれの内容が異なっている場合、その異なっている部分について作成日付の新しい遺言の内容が効力を有する。

正解 2

解説

  1. 適切。自筆証書遺言の内容を加除・変更するには、遺言者が、①場所を指示し、②変更した旨を付記して署名をし、③変更箇所に印を押さなければなりません。
  2. [不適切]。自筆証書遺言は、遺言者が全文、日付、氏名を自書、押印して作成するものでしたが、2019年1月より財産目録についてのみパソコンでの作成や通帳のコピーでも可能になりました。この場合、財産目録の各ページに遺言者が署名押印する必要があるので覚えておきましょう。
  3. 適切。民法1004条では、「遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。」とし、さらに「封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。」と定められています。
    検認とは、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。したがって、家庭裁判所の検認を受ける前に開封しても、遺言自体が無効になるわけではありません。ただし、検認前に開封してしまった場合には5万円以下の過料に処される場合があります。
  4. 適切。遺言者が2通以上の遺言を作成していた場合、内容の異なる部分についてはその種類にかかわらず日付の新しい方の遺言内容が有効とされます。「公正証書遺言の内容が優先される」というヒッカケ問題に注意しましょう。
したがって不適切な記述は[2]です。