FP2級 2020年1月 実技(FP協会:資産設計)問2

問2

次のうち、特定商取引法におけるクーリング・オフ制度の対象となる取引として、最も不適切なものはどれか。
  1. 電話勧誘販売により消費者が学習教材を購入した。
  2. 事業者が消費者の自宅を訪問し、消費者から宝飾品を買い取った。
  3. 連鎖販売取引により消費者が化粧品を購入した(化粧品は未開封)。
  4. 通信販売により消費者が書籍を購入した。

正解 4

分野

科目:A.ライフプランニングと資金計画
細目:2.ファイナンシャル・プランニングと関連法規

解説

特定商取引法(特商法)は、トラブルが起きやすい取引形態を公正にし、購入者等が受けることのある損害の防止を図ることにより、購入者等の利益を保護することを目的とする法律です。特定商取引法の対象となる取引類型は、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引、訪問購入の7つです。

クーリング・オフ制度は、契約等から一定期間は無条件に消費者側からの申込み撤回・契約解除ができる制度です。ただし、販売業者の営業所に自ら赴いて買受けの申込みをした場合はクーリング・オフ制度の対象とならないので注意しましょう。
  1. 適切。電話勧誘販売は、クーリング・オフ制度の適用対象です。契約書面を受けとった日から8日以内であれば契約解除できます。
  2. 適切。訪問買取は「訪問購入」に該当し、クーリング・オフ制度の適用対象です。契約書面を受けとった日から8日以内であれば契約解除できます。
  3. 適切。連鎖販売取引(マルチ商法)は、クーリング・オフ制度の適用対象です。契約日・最初の商品引渡日のいずれか遅い日から20日以内であれば契約解除できます。
  4. [不適切]。通信販売は、一般的にクーリング・オフ制度の適用対象となりません。
    少し詳しく説明すると、通信販売にもクーリング・オフの規定があり、商品の引渡しから8日以内であれば申込みの撤回や契約解除ができることになっています(特商法15条の3)。しかし、通信販売は訪問販売等と異なり、消費者の購入の自主性が尊重されていることから、広告等に所定の方法で返品に関する条件や特約を表示していた場合には、その特約の方が優先されます。販売業者側はこの表示を行っていることがほとんどであるため、実質的にはクーリング・オフの適用対象外という状況になっています。
したがって不適切な記述は[4]です。