FP2級 2021年1月 実技(金財:個人)問12

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問12

被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例(以下、「本特例」という)に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
  1. 「本特例の適用を受けるための要件の1つとして、1981(昭和56)年5月31日以前に建築された家屋であることが挙げられます。実家の建物を取り壊して、甲土地を更地にした場合、本特例の適用を受けることはできませんので、本特例の適用を検討しているのであれば、建物は現況の空き家のままにしておいてください」
  2. 「本特例の適用を受けた場合の特別控除の額は最高3,000万円です。本特例と相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(相続税の取得費加算の特例)とは選択適用となりますので、有利なほうを選択するようにしてください」
  3. 「本特例の適用を受けるためには、確定申告書に被相続人居住用家屋等確認書を添付する必要があります。当該確認書は実家が所在する地域を管轄する法務局に申請し、交付を受けてください」

正解 

××

分野

科目:E.不動産
細目:5.不動産の譲渡に係る税金

解説

「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」とは、相続や遺贈によって取得した被相続人の居住用財産(昭和56年5月31日以前に建築されたものに限る)であり、その後、空家になっていたものを一定期間内に譲渡した場合に、その譲渡所得の金額から3,000万円を控除できる特例です。
  1. ×不適切。本特例は、家屋を取り壊して更地で譲渡するか、その家屋とともに敷地を譲渡することで適用を受けられますが、建物付で譲渡する場合は、改修等を行ってその建物が一定の耐震基準を満たすようにする必要があります。
    1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された建物を取り壊し、更地にして譲渡する場合も本特例の適用対象です。
  2. 〇適切。相続税の取得費加算の特例は、相続により取得した土地・建物・株式などを、一定期間内に譲渡した場合に、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができる特例です。売った家屋や敷地等について、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」や「収用等の場合の特別控除」など他の特例の適用を受けている場合、原則として本特例の適用は受けられません。
  3. ×不適切。本特例の適用を受けるためには、相続発生から譲渡まで事業・貸付・居住用に使われていないこと証明するため、売った資産の所在地を管轄する市区町村長から交付を受けた「被相続人居住用家屋等確認書」 が確定申告時に必要になります。法務局ではありません。