FP2級 2021年1月 実技(金財:個人)問15

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問15

相続人等は《設例》の記載のとおり、Aさんの財産を取得した。Aさんの相続に係る相続税の総額を計算した下記の表の空欄①~④に入る最も適切な数値を、解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
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万円
万円
万円
万円

正解 

① 7,000(万円)
② 4,800(万円)
③ 1,790(万円)
④ 8,520(万円)

分野

科目:F.相続・事業承継
細目:4.相続と税金

解説

〔①について〕
妻Bさんが取得する相続財産は以下の5つです。
  • 現金および預貯金 1,000万円
  • 自宅(敷地330㎡) 1,000万円
  • 自宅(建物) 500万円
  • 死亡保険金 2,500万円
  • 死亡退職金 5,000万円
死亡保険金と死亡退職金は、それぞれ「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。法定相続人は、妻Bさん・長男Cさん・長女Dさんの3人なので、非課税限度額は「500万円×3人=1,500万円」です。これを控除すると相続税の課税価格に算入する額は、次の金額となります。
  • 死亡保険金 2,500万円-1,500万円=1,000万円
  • 死亡退職金 5,000万円-1,500万円=3,500万円
妻Bさんに係る課税価格は上記5つを合計して、

 1,000+1,000+500+1,000+3,500=7,000万円

よって、正解は7,000(万円)になります。

〔②について〕
遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。法定相続人は前述のとおり3人なので「3,000万円+600万円×3人=4,800万円」です。
よって、正解は4,800(万円)になります。

〔③について〕
まず課税遺産総額を求める必要があります。課税遺産総額は「相続税の課税価格の合計額-基礎控除額」で計算するので、
相続税の課税価格の合計額
7,000万円+2億8,000万円+2,000万円+1,000万円=3億8,000万円
課税遺産総額
3億8,000万円-4,800万円=3億3,200万円
この金額を法定相続分に従って各相続人に配分します。法定相続人は「妻Bさん」「長男Cさん」「長女Dさん」の3人であり、それぞれの法定相続分は次のとおりです。
  • 妻B … 1/2
  • 長男C … 1/2×1/2=1/4
  • 長女D … 1/2×1/2=1/4
まず、課税遺産総額3億3,200万円を法定相続分で各人に分配します。
  • 妻B … 3億3,200万円×1/2=1億6,600万円
  • 長男C … 3億3,200万円×1/4=8,300万円
  • 長女D … 3億3,200万円×1/4=8,300万円
次に速算表を利用して、各人ごとの相続税額を算出します。
  • 妻B … 1億6,600万円×40%-1,700万円=4,940万円
  • 長男C … 8,300万円×30%-700万円=1,790万円
  • 長女D … 8,300万円×30%-700万円=1,790万円
ここまでの計算で、長男Cさんの法定相続分から算出される相続税額は1,790万円になるとわかります。
よって、正解は1,790(万円)になります。

〔④③について〕
全員の算出税額を合算した金額が相続税の総額になります。

 4,940万円+1,790万円+1,790万円=8,520万円

よって、正解は8,520(万円)になります。