FP2級 2021年1月 実技(金財:生保)問10

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問10

Aさんの2023年分の所得税の計算における所得控除等に関する以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句を、下記の〈語句群〉のなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。
  1. 「2020年分の所得税から、給与所得控除と基礎控除が改正されました。給与所得控除の控除額は、給与等の収入金額が850万円以下の者については従前と比較して一律で()引き下げられ、給与等の収入金額が850万円を超える者については控除上限額である195万円となります。一方、基礎控除の控除額は引き上げられますが、合計所得金額が2,400万円を超える者については控除額が逓減し、合計所得金額が2,500万円を超える者については基礎控除の適用を受けることができないこととされました」
  2. 「妻Bさんの合計所得金額は48万円以下となりますので、Aさんは配偶者控除の適用を受けることができます。Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の控除額は()となります」
  3. 「2020年分の所得税から、所得金額調整控除が創設されました。Aさんのように給与等の収入金額が850万円を超え、23歳未満の扶養親族がいる場合、総所得金額の計算上、給与等の収入金額(1,000万円を超える場合は1,000万円)から850万円を控除した金額の()相当額を給与所得の金額から控除することができます」
  1. イ.10万円
  2. ロ.15万円
  3. ハ.20万円
  4. ニ.32万円
  5. ホ.38万円
  6. ヘ.48万円
  7. ト.5%
  8. チ.8%
  9. リ.10%

正解 

分野

科目:D.タックスプランニング
細目:5.所得控除

解説

〔①について〕
2020年分から給与所得控除額と基礎控除額が改正されました。基礎控除額が10万円増えた代わりに、給与所得控除額は10万円減っています。また控除上限額が1,000万円以上の人に係る220万円から、850万円以上の人に係る195万円に引き下げられました。
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よって、正解は[イ]の10万円になります。

〔②について〕
配偶者控除の適用を受けるためには、配偶者の合計所得金額が48万円以下、配偶者が事業専従者として給与支払いを受けていない、納税者の合計所得金額が1,000万円以下などの要件を満たす必要があります。控除額は以下の通りです。
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妻Bさんは70歳未満であり、Aさんの合計所得金額は900万円以下なので控除額は38万円です。
よって、正解は[ホ]の38万円になります。

〔③について〕
2020年分から給与所得控除額の上限が引き下げられたことにより、給与収入850万円超の人にとってはめ税負担が増加することになりました。この改正が、同一世帯内に23歳未満または特別障害者である扶養親族などがいる人の負担増とならないように、所得金額を調整する仕組みが設けられました。これが所得金額調整控除(子ども等)です。

所得金額調整控除額は「(給与収入-850万円)×10%(上限15万円)」で、給与収入850万円を超え、23歳未満の扶養親族等がいる納税者は、上記の式で算出される金額を給与所得の金額から控除できます。
よって、正解は[リ]の10%になります。
所得金額調整控除額+給与所得控除額+基礎控除の合計が、2019年以前の控除額と同じになるようになっています。