FP2級過去問題 2021年3月学科試験 問55

問55

遺産分割に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 被相続人は、遺言により、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。
  2. 協議分割の分割割合については、必ずしも法定相続分に従う必要はない。
  3. 遺産分割協議書は、あらかじめ1人の相続人が遺産分割協議書案を用意し、他の共同相続人全員が順次これに署名・捺印する持回り方式により作成することも認められる。
  4. 遺産分割協議が適法に成立した場合には、共同相続人全員の合意があったとしても、遺産の再分割協議をすることは認められない。

正解 4

解説

  1. 適切。遺産の分割は、原則として相続が開始した後は自由にできますが、被相続人は、遺言によって、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて遺産の分割を禁じることができます。
  2. 適切。協議分割とは、相続人全員の協議によって合意のうえで遺産の分割を決める方法です。遺言で相続分の指定がない場合、協議分割により分割割合が決定するのであれば、必ずしも法定相続分に従う必要はありません。
  3. 適切。遺産分割協議は相続人全員の合意のもとに遺産分割をします。相続人全員が一同集合して協議ができればよいのですが、居住地や時間などにより難しいこともあります。そのような場合に、相続人の1人が遺産分割協議書案を作成して郵送などにより他の共同相続人全員に内容を確認してもらい、これに署名・捺印する方法により承諾を得る方法も遺産分割協議として認められます。
  4. [不適切]。遺産分割協議がすでに成立した場合でも、相続人全員が合意した場合には遺産の再分割協議をすることができます。その結果、相続人全員の承諾が得られれば遺産の再分割ができます。
したがって不適切な記述は[4]です。