FP2級過去問題 2021年3月学科試験 問56

問56

次の費用等のうち、相続税の課税価格の計算上、相続財産の価額から債務控除することができるものはどれか。なお、当該費用等は、相続または遺贈により財産を取得した相続人が負担したものとし、被相続人および相続人は日本国内に住所があるものとする。
  1. 準確定申告により納付した被相続人に係る所得税額
  2. 遺言執行者である弁護士に支払った被相続人の相続に係る遺言執行費用
  3. 被相続人が生前に購入した墓碑の買入代金で、相続開始時点で未払いのもの
  4. 香典返しの費用で、社会通念上相当と認められるもの

正解 1

解説

  1. [適切]。準確定申告は、被相続人の1月1日から死亡日までの所得を確定申告するもので、死亡日から4カ月以内に相続人が代わりに行います。これにより納付した所得税額は被相続人が支払うべき税金であるため債務控除することができます。
  2. 不適切。遺言執行者である弁護士に支払った遺言執行費用や、相続税の申告に係る費用は債務控除の対象にはなりません。
  3. 不適切。墓地・墓碑・仏具等は非課税財産のため、この購入代金が未払いであったとしても債務控除の対象にはなりません。もし債務控除の対象になれば、高額な墓碑等を購入することで相続税額を下げることができてしまうからです。
  4. 不適切。通夜・告別式に係る費用(葬式費用)は債務控除の対象となりますが、葬式の際の香典返戻費用、法要に要した費用はたとえ社会通念上相当と認められる金額であっても債務控除の対象にはなりません。
したがって適切な記述は[1]です。