FP2級 2021年5月 実技(FP協会:資産設計)問17

問17

会社員の有馬さんが、2023年中に新築住宅を購入し、同年中に居住を開始した場合の住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)に関する次の(ア)~(エ)の記述について、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。なお、有馬さんは、年末調整および住宅ローン控除の適用を受けるための要件をすべて満たしているものとする。
  1. 有馬さんが所得税の住宅ローン控除の適用を受ける場合、2023年分は確定申告をする必要があるが、2024年分以降は勤務先における年末調整により適用を受けることができる。
  2. 有馬さんが転勤により単身赴任をする場合、配偶者が引き続き居住している等の所定の要件を満たしていれば住宅ローン控除の適用を受けることができる。
  3. 2023年分の住宅ローン控除可能額が所得税から控除しきれない場合は、その差額を翌年度の住民税から控除することができるが、その場合、市区町村への住民税の申告が必要である。
  4. 住宅ローン控除を受け始めてから7年目に繰上げ返済を行った結果、すでに返済が完了した期間と繰上げ返済後の返済期間の合計が10年未満となった場合は、住宅ローン控除の適用を受けることはできない。
(ア)(イ)(ウ)(エ)

正解 

(ア)(イ)(ウ)(エ)
×

分野

科目:D.タックスプランニング
細目:6.税額控除

解説

  1. 〇適切。住宅ローン控除の適用を受ける場合、初年度は会社員であっても確定申告をする必要がありますが、翌年以降は、勤務先における年末調整により適用を受けることができます。
  2. 〇適切。転勤等その他やむを得ない事情により単身赴任をする場合、配偶者や扶養親族等が引き続き居住していること、やむを得ない事情が解消した後はその住宅に戻って居住することが認められるときは、住宅ローン控除の適用を受けることができます。
  3. ×不適切。住宅ローン控除可能額が所得税から控除しきれない場合、その残控除額は翌年度の住民税から自動的に控除されます。市区町村への住民税の申告は不要です
  4. 〇適切。住宅ローン控除を受けるためには、償還期間が10年以上の住宅ローンであることが要件となっています。繰上げ返済を行って、借入当初からの返済期間(返済完了期間と繰上げ返済後の返済期間の合計)が10年未満になってしまうとその年以降住宅ローン控除の適用はありません。