FP2級 2021年5月 実技(金財:個人)問10

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問10

甲土地と乙土地を一体とした土地上に耐火建築物を建築する場合における次の①、②を求めなさい(計算過程の記載は不要)。
  1. 建蔽率の上限となる建築面積
  2. 容積率の上限となる延べ面積

正解 

① 720(㎡)
② 2,700(㎡)

分野

科目:E.不動産
細目:3.不動産に関する法令上の規制

解説

〔①について〕
建築面積の上限は「敷地面積×建ぺい率」の式で計算します。

指定建蔽率は60%ですが、建築基準法の規定により以下の条件を満たす敷地では建ぺい率の緩和を受けられます。
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甲土地および乙土地は準防火地域ですので、(準)耐火建築物を建築する場合には10%の緩和を受けられます。また、甲土地と乙土地を一体とした土地は、特定行政庁が指定する角地なのでさらに10%の緩和を受けられます。つまり、敷地面積に乗じる建ぺい率は「60%+10%+10%=80%」となります。

敷地面積が「450㎡+450㎡=900㎡」なので、建築面積の最高限度は、

 900㎡×80%=720㎡

よって、正解は720(㎡)になります。

〔②について〕
建物の延べ面積の限度は「敷地面積×容積率」の式で計算します。

容積率は、前面道路幅員による制限があり、その敷地の前面道路の幅員が12m未満の場合は、容積率には、次の2つのうち低いほうが適用されます。なお、複数の道路に面している土地の場合は幅が最も広い道路が前面道路となります。
  • 都市計画の指定容積率
  • 前面道路の幅×法定乗数
本問の対象地は、指定容積率が300%、前面道路の幅×法定乗数が「8m×0.4=3.2=320%」なので、容積率は2つを比べて小さい300%となります。敷地面積が900㎡なので、延べ面積(床面積の合計)の最高限度は、

 900㎡×300%=2,700㎡

よって、正解は2,700(㎡)になります。