FP2級過去問題 2021年9月学科試験 問30

問30

日本銀行が運営する金融政策決定会合の金融政策・金融調節の方針(2021年3月19日公表の「より効果的で持続的な金融緩和について」)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、「▲」はマイナスを意味するものとする。
  1. 「物価安定の目標」とされる消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続することとされている。
  2. 長短金利操作のもと、短期金利については、日本銀行当座預金のうち政策金利残高に、▲0.1%のマイナス金利を適用することとされている。
  3. 長短金利操作のもと、長期金利については、10年物国債金利が0.5%程度で推移するよう、上限を設けず、必要な金額の長期国債の買入れを行うこととされている。
  4. 金利の大幅な上昇を抑制する方法として、日本銀行が指定する利回りによる国債買入れ(指値オペ)を強化し、一定期間、指値オペを連続して行う「連続指値オペ制度」を新たに導入することとされている。

正解 3

問題難易度
肢111.7%
肢220.5%
肢345.6%
肢422.2%

解説

  1. 適切。日本銀行は2016年に「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」で2%の「物価安定の目標」を挙げています。消費者物価指数の前年比上昇率の実施値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベース(市中に出回って流通している現金と日本銀行当座預金の合計)の拡大方針を継続するとしています。
    参考URL: 日本銀行 より効果的で持続的な金融緩和について
    https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/state_2021/k210319a.htm/#betsu1
  2. 適切。日本銀行は、経済・物価の現状と見通しを踏まえて、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の方針を決定しました。それによると、短期金利については、日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲マイナス0.1%のマイナス金利を適用するとしています。
  3. [不適切]。長短金利操作の方針として、長期金利については、10年物国債金利が0(ゼロ)%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買入れを行うとしています。
  4. 適切。金利の大幅な上昇を抑制する方法に、日本銀行が指定する利回りで国債を買い入れる「指値オペ」があります。日本銀行はこれを強化するため、一定期間、指値オペを連続して行う「連続指値オペ制度」を新たに導入するとしています。
したがって不適切な記述は[3]です。