FP2級 2021年9月 実技(FP協会:資産設計)問34

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問34

陽子さんは、哲也さんが万一死亡した場合の公的年金の遺族給付について、FPの三上さんに質問をした。仮に哲也さんが、2023年9月に45歳で在職中に死亡した場合に、陽子さんが受け取ることができる遺族給付を示した下図の空欄(ア)~(エ)に入る適切な語句を語群の中から選び、その番号のみを解答欄に記入しなさい。なお、哲也さんは、20歳から大学卒業までの間は国民年金第1号被保険者として保険料を納付し、大学卒業後の22歳から死亡時まで継続して厚生年金保険に加入しているものとする。また、家族に障害者に該当する者はなく、記載以外の遺族給付の受給要件はすべて満たしているものとする。
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  1. 1.18歳
  2. 2.20歳
  3. 3.遺族基礎年金(子の加算なし)
  4. 4.遺族基礎年金(子の加算1人分)
  5. 5.遺族厚生年金(哲也さんの報酬比例部分の年金額の3分の2相当額)
  6. 6.遺族厚生年金(哲也さんの報酬比例部分の年金額の4分の3相当額)
  7. 7.経過的寡婦加算
  8. 8.寡婦年金
  9. 9.中高齢寡婦加算
(ア)(イ)(ウ)(エ)

正解 

(ア)(イ)(ウ)(エ)
1964

分野

科目:A.ライフプランニングと資金計画
細目:5.公的年金

解説

〔(ア)について〕
現時点で哲也さんが死亡すると、陽子さんは遺族基礎年金を受給できますが、子の湊さんが18歳到達年度末を経過すると遺族基礎年金の受給権を失います。
よって、正解は[1]の18歳になります。

〔(イ)について〕
中高齢寡婦加算が当てはまります。子が18歳到達年度の末日を過ぎて遺族基礎年金の支給が停止したとき、遺族厚生年金を受給している妻が40歳を過ぎていると、中高齢寡婦加算が上乗せされて支給になります。
よって、正解は[9]の中高齢寡婦加算になります。

〔(ウ)について〕
遺族厚生年金が当てはまります。遺族厚生年金の額は死亡した者の報酬比例部分の年金額の4分の3相当額です。
よって、正解は[6]の遺族厚生年金(哲也さんの報酬比例部分の年金額の4分の3相当額)になります。

〔(エ)について〕
遺族基礎年金が当てはまります。遺族基礎年金は「子」または「子のある配偶者」に支給されるので、配偶者に支給される場合には常に子の加算があります。
なお、年金制度における子とは、以下のいずれか該当し婚姻していない者をいいます。
  • 18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
  • 20歳未満で障害等級1級もしくは2級の状態にある子
よって、正解は[4]の遺族基礎年金(子の加算1人分)になります。

経過的寡婦加算と寡婦年金についても補足しておきます。
経過的寡婦加算は、中高齢寡婦加算を受け取っていた1956年(昭和31年)4月1日生まれ以前の妻が65歳になったとき、老齢基礎年金の額がそれまで受け取っていた中高齢寡婦加算よりも少なくならないように加算される一定額で、陽子さんは1956年(昭和31年)4月2日以降の生まれなので対象外です。
寡婦年金は、第1号被保険者としての保険料納付済期間が10年以上ある夫が死亡したときに、その妻が60歳から65歳になるまで支給されるものですが、哲也さんの第1号被保険者期間は10年未満なので対象外です。