FP2級 2021年9月 実技(金財:生保)問5

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問5

次に、Mさんは、Aさんに対して、必要保障額およびAさんが提案を受けた生命保険の死亡保障の額について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①、②に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

 「提案を受けた生命保険に加入する前に、現時点での必要保障額を算出し、準備すべき死亡保障の額を把握しましょう。下記の<算式>および<条件>を参考にすれば、Aさんが現時点で死亡した場合の遺族に必要な生活資金等の総額は□□□万円となり、必要保障額は()万円となります。
 仮に、提案を受けた生命保険に加入し、加入した年中にAさんが死亡(不慮の事故や所定の感染症以外)した場合、妻Bさんに支払われる死亡保険金額は()万円となります。他方、加入した年中にAさんが不慮の事故で180日以内に死亡した場合の死亡保険金額は□□□万円となります」

<算式>
必要保障額=遺族に必要な生活資金等の支出の総額-遺族の収入見込金額
<条件>
  1. 長男Cさんが独立する年齢は、22歳(大学卒業時)とする。
  2. Aさんの死亡後から長男Cさんが独立するまで(22年間)の生活費は、現在の日常生活費(月額25万円)の70%とし、長男Cさんが独立した後の妻Bさんの生活費は、現在の日常生活費(月額25万円)の50%とする。
  3. 長男Cさん独立時の妻Bさんの平均余命は、32年とする。
  4. Aさんの死亡整理資金(葬儀費用等)、緊急予備資金は、500万円とする。
  5. 長男Cさんの教育資金の総額は、1,300万円とする。
  6. 長男Cさんの結婚援助費の総額は、200万円とする。
  7. 住宅ローン(団体信用生命保険に加入)の残高は、3,000万円とする。
  8. 死亡退職金見込額とその他金融資産の合計額は、2,000万円とする。
  9. Aさん死亡後に妻Bさんが受け取る公的年金等の総額は、7,200万円とする。
万円
万円

正解 

① 2,220(万円)
② 2,700(万円)

分野

科目:B.リスク管理
細目:3.生命保険

解説

〔①について〕
「必要保障額=遺族に必要な生活資金等の総額-遺族の収入見込金額」です。

【遺族に必要な生活資金等の総額】
1.長男Cさん独立までの遺族の生活費
Aさんの死亡から長男Cさんが独立するまで22年なので、
25万円×70%×12カ月×22年=4,620万円
2.長男Cさん独立後の妻Bさんの生活費
長男Cさん独立時の妻Bさんの平均余命は32年なので、
25万円×50%×12カ月×32年=4,800万円
生活費の総額(1+2)
4,620万円+4,800万円=9,420万円
この金額に死亡整理資金500万円、教育費総額1,300万円、結婚援助金200万を加えた金額が、遺族に必要な生活資金等の総額です。住宅ローン残高3,000万円は、Aさんの死亡により団体信用生命保険から支払われる保険金と相殺されるので加算不要です。

 9,420+500+1,300+200=11,420万円

【遺族の収入見込金額】
  • 死亡退職金見込額とその他金融資産の合計額 2,000万円
  • 妻Bさんが受け取る公的年金等の総額 7,200万円
よって、2,000万円+7,200万円=9,200万円

必要保障額は、11,420万円-9,200万円=2,220万円

よって、正解は2,220(万円)になります。

〔②について〕
Aさんが死亡すると、死因にかかわらず現在加入している生命保険から以下の3つが支払われます。
  • 終身保険 200万円
  • 定期保険特約 500万円
  • 逓減定期保険特約 2,000万円
傷害特約は、交通事故などの不慮の事故や所定の感染症で死亡した場合に保険金が支払われる特約です。なので、本問では傷害特約500万円は含めません。

死亡保険金額は上記3つを合計して
 
 200+500+2,000=2,700万円

よって、正解は2,700(万円)になります。