FP2級 2022年1月 実技(FP協会:資産設計)問37

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問37

博之さんは、保有している投資信託(KVファンド)の収益分配金を受け取った(下記<資料>参照)。この収益分配金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、税率は20%(所得税15%、住民税5%)とし、復興特別所得税については考慮しないこととする。
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  1. 収益分配金から源泉徴収される所得税および住民税の合計額は、1万口当たり200円であり、分配落ち後の博之さんの個別元本は1万口当たり9,500円である。
  2. 収益分配金から源泉徴収される所得税および住民税の合計額は、1万口当たり300円であり、分配落ち後の博之さんの個別元本は1万口当たり9,500円である。
  3. 収益分配金から源泉徴収される所得税および住民税の合計額は、1万口当たり200円であり、分配落ち後の博之さんの個別元本は1万口当たり10,000円である。
  4. 収益分配金から源泉徴収される所得税および住民税の合計額は、1万口当たり300円であり、分配落ち後の博之さんの個別元本は1万口当たり10,000円である。

正解 1

分野

科目:C.金融資産運用
細目:3.投資信託

解説

株式投資信託から支払われた収益分配金は、課税対象となる「普通分配金」と非課税の「元本払戻金(特別分配金)」に分かれ、その区別は個別元本と分配落ち後の基準価額の関係で決まります。具体的には、下図のように分配落ち後の基準価額に収益分配金を足したときに、個別の元本を上回る部分が「普通分配金」となり、それ以外の部分は「特別分配金」となります。
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設問の場合「収益分配後の基準価額<収益分配前の個別元本」のため、普通分配金と元本払戻金(特別分配金)が発生します。
  • 普通分配金 11,000円-10,000円=1,000円
  • 元本払戻金 10,000円-9,500円=500円
よって、1万口当たりの所得税および住民税の合計額は、

 1,000円×20%=200円

そして、分配落ち後の基準価額が個別元本を上回っている場合、個別元本の額は変わりませんが、分配落ち後の基準価額が個別元本を下回っている場合、分配落ち後の基準価額がその後の個別元本となります。元本払戻金(特別分配金)はその名の通り、元本部分の返還だからです。

よって、分配落ち後の個別元本は1万口当たり9,500円となります。

したがって正しい説明は[1]です。