FP2級 2022年1月 実技(金財:個人)問5(改題)

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問5

Mさんは、Aさんに対して、X社株式を購入する際の留意点等について説明した。Mさんが説明した次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
  1. 「X社株式のPBRは1倍を下回っていますが、PBRの1倍割れだけをもって割安と判断するのは注意する必要があります。PERなどの他の投資指標についても比較検討するなど、多角的な視点が望まれます」
  2. 「上場株式の配当を受け取るためには、権利確定日に株主として株主名簿に記載される必要があります。X社株式については、普通取引により、権利確定日の2営業日前である2024年3月29日(火)までに買付けを行えば、次回の配当を受け取ることができます」
  3. 「X社株式を購入する場合、成長投資枠またはつみたて投資枠のいずれかを利用することができます。2024年中に成長投資枠に受け入れることができる金額は240万円、同年中につみたて投資枠に受け入れることができる金額は120万円が上限です」

正解 

××

分野

科目:C.金融資産運用
細目:5.株式投資

解説

  1. ×不適切。PBR(株価純資産倍率)は「株価÷1株当たり純資産」で求めます。X社の1株当たり純資産は「45,000百万円÷1,000万株=4,500円」なので、PBRは「4,800円÷4,500円=1.066…倍」と1倍以上です。本肢は「1倍を下回っています」と説明しているので誤りです。
    ちなみに、1倍を下回っているということは、株価が解散価値を下回っているということなので、一般的には割安であると判断できますが、業績悪化等のマイナス要因を抱え込んでいる可能性もあるので、PBRだけで判断するのではなく、他の投資指標も併せて比較・検討するべきと言えます。
  2. 〇適切。上場株式の受渡日は約定日から起算して3営業日目なので、3月31日(木)の権利確定日に株主として株主名簿に記載されるためには、権利確定日の2営業日前に当たる3月29日(火)までには売買を約定しなければなりません。
    05.png./image-size:512×123
  3. ×不適切。上場株式をつみたて投資枠で購入することはできません。つみたて投資枠の対象銘柄は、一定の基準を満たした株式投資信託と株式ETFに限定されており、個別株式は対象外です。なお、非課税投資枠についての記述は適切です。