FP2級 2022年9月 実技(FP協会:資産設計)問11

問11

大垣正浩さん(59歳)が保険契約者(保険料負担者)および被保険者として加入している生命保険(下記<資料>参照)の保障内容に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる数値を解答欄に記入しなさい。なお、保険契約は有効に継続し、正浩さんはこれまでに<資料>の保険から、保険金・給付金を一度も受け取っていないものとする。また、各々の記述はそれぞれ独立した問題であり、相互に影響を与えないものとする。
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  • 正浩さんが現時点で、網膜剥離(加齢・近視が原因)で8日間継続して入院し、約款所定の手術(給付倍率10倍)を1回受けた場合、保険会社から支払われる保険金・給付金の合計は()万円である。
  • 正浩さんが現時点で、初めてがん(悪性新生物)と診断され、治療のため12日間継続して入院し、その間に約款所定の手術(給付倍率40倍)を1回受けた場合、保険会社から支払われる保険金・給付金の合計は()万円である。
  • 正浩さんが現時点で、交通事故で死亡(入院・手術なし)した場合、保険会社から支払われる保険金・給付金の合計は()万円である。
  • 約款所定の手術は定期保険特約付終身保険および終身がん保険ともに該当するものである。
(ア)万円
(イ)万円
(ウ)万円

正解 

(ア) 7(万円)
(イ) 680(万円)
(ウ) 4,510(万円)

分野

科目:B.リスク管理
細目:3.生命保険

解説

〔(ア)について〕
<保険証券1>
網膜剥離は病気なので、疾病入院特約から入院給付金と手術給付金が支払われます。入院5日目から保障されるので支払対象日数は「8日-4日=4日」です。
  • 疾病入院特約(入院給付金) 5,000円×4日=2万円
  • 疾病入院特約(手術給付金) 5,000円×10倍=5万円
したがって、<保険証券1>から支払われる保険金は7万円です。

<保険証券2>
がんではないので、支払われる保険金・給付金はありません。 

以上より、<保険証券1>と<保険証券2>から支払われる合計金額は、

 7万円+0万円=7万円

よって、正解は7万円です。

〔(イ)について〕
<保険証券1>
がん(悪性新生物)は、特定疾病保障定期保険特約および生活習慣病入院特約の対象になります。入院5日目から保障されるので支払対象日数は「12日-4日=8日」です。
  • 特定疾病保障定期保険特約 500万円
  • 疾病入院特約(入院給付金) 5,000円×8日=4万円
  • 疾病入院特約(手術給付金) 5,000円×40倍=20万円
  • 生活習慣病入院特約(入院給付金) 5,000円×8日=4万円
  • 生活習慣病入院特約(手術給付金) 5,000円×40倍=20万円
したがって、<保険証券1>から支払われる保険金は、
 500万円+4万円+20万円+4万円+20万円=548万円

<保険証券2>
  • がん診断給付金 100万円
  • がん入院給付金 1万円×12日=12万円
  • がん手術給付金 20万円
したがって、<保険証券2>から支払われる保険金は、
 100万円+12万円+20万円=132万円

以上より、<保険証券1>と<保険証券2>から支払われる合計金額は、

 548万円+132万円=680万円

よって、正解は680万円です。

〔(ウ)について〕

<保険証券1>
終身保険と定期保険特約は死因に関係なく支払われます。
  • 終身保険 500万円
  • 定期保険特約 3,000万円
特定疾病保障定期保険特約は、ガン・急性心筋梗塞・脳卒中に罹患して所定の状態になった場合に保険金が支払われます。また、定期保険の一種ですので保険金を受け取らずに死亡または高度障害状態になった場合にも保険金が支払われます。正浩さんは現時点で保険金および給付金を一度も受け取っていないため、保険金を受け取ることができます。
  • 特定疾病保障定期保険特約 500万円
傷害特約は、不慮の事故や所定の感染症で180日以内に死亡したとき、保険金が支払われます。交通事故による死亡なので支払事由に該当します。
  • 傷害特約 500万円
したがって、<保険証券1>から支払われる保険金は、
 500万円+3,000万円+500万円+500万円=4,500万円

<保険証券2>
交通事故による死亡のため、死亡給付金のみが対象になります。
  • 死亡給付金 10万円
以上より、<保険証券1>と<保険証券2>から支払われる合計金額は、

 4,500万円+10万円=4,510万円

よって、正解は4,510万円です。