FP2級 2022年9月 実技(金財:生保)問4

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問4

Mさんは、Aさんに対して、全国健康保険協会管掌健康保険の高額療養費制度について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な数値を、下記の〈数値群〉のなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。

 「Aさんに係る医療費の一部負担金の割合は、()割となりますが、同一月内に、医療機関等に支払った医療費の一部負担金の額が自己負担限度額を超えた場合、所定の手続により、自己負担限度額を超えた額が高額療養費として支給されます。この一部負担金の合計には、差額ベッド代、食事代、保険適用となっていない医療行為等は含まれません。また、過去12カ月以内に複数回高額療養費が支給されると、()回目から自己負担限度額が軽減される仕組みがあります。
 なお、事前に保険者から健康保険限度額適用認定証の交付を受け、医療機関の窓口に当該認定証と健康保険被保険者証を提示すると、一医療機関の窓口で支払う同一月内の一部負担金を自己負担限度額までとすることができます。
 仮に、Aさんが病気により下記の<条件>で入院し、事前に健康保険限度額適用認定証の交付を受け、所定の手続をした場合、Aさんは、医療機関に一部負担金のうち()円を支払えばよく、実際の一部負担金との差額()円が現物給付されることになります」

<条件>
  • Aさんの標準報酬月額は30万円である。
  • 入院は1カ所の病院で、期間は2023年10月3日~12日までの10日間である。
  • 総医療費(すべて全国健康保険協会管掌健康保険の保険給付の対象となるもの)は60万円である。
  • 他に医療費はない。
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  1. イ.1
  2. ロ.1.5
  3. ハ.2
  4. ニ.3
  5. ホ.4
  6. ヘ.80,100
  7. ト.83,430
  8. チ.96,570
  9. リ.180,000
  10. ヌ.516,570

正解 

分野

科目:A.ライフプランニングと資金計画
細目:4.社会保険

解説

〔①について〕
6歳以上70歳未満の人は、国民健康保険であるか協会や組合の健康保険であるかにかかわらず、医療費の自己負担が一律3割です。
よって、正解は[ニ]の3(割)になります。

〔②について〕
同一の医療機関の窓口で支払う医療費が1ヵ月(毎月1日~末日まで)の上限額を超えた場合、その超えた額を支給する「高額療養費制度」があります。
高額療養費として払い戻しを受けた月数が1年間(直近12ヵ月間)で3月以上あったときは、4月目から自己負担限度額がさらに引き下げられる制度があり、多数該当といいます。
よって、正解は[ホ]の4(回目)になります。

〔③について〕
<資料>計算式に当てはめて計算します。総医療費は60万円ですから、

 80,100円+(600,000円-267,000円)×1%=83,430円

よって、正解は[ト]の83,430(円)になります。

〔④について〕
本来は医療費60万円の3割に当たる18万円を窓口で支払うことになりますが、事前に限度額適用認定を受けておけば、窓口での支払額は③の83,430円で済みます。この支払い時に、差額の「180,000円-83,430円=96,570円」が現物給付されることになります。
よって、正解は[チ]の96,570(円)になります。