FP2級 2022年9月 実技(金財:生保)問15
問15
「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述①~④について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。- 「仮に、実家の敷地および建物をAさんと姉Bさんが共有名義で取得し、本特例の適用を受けた場合、各人がそれぞれ最高3,000万円の特別控除の適用を受けることができます」
- 「Aさんが老朽化した実家の建物を取り壊して更地で譲渡した場合、本特例の適用を受けることができません。本特例の適用を受けることを検討しているのであれば、建物は現況の空き家のままにしておいてください」
- 「本特例の適用を受けるためには、相続税の申告期限までに譲渡を行う必要があります」
- 「本特例と『相続財産に係る譲渡所得の課税の特例(相続税の取得費加算の特例)』は、重複して適用を受けることができますので、適用を受けるための要件を確認し、適用漏れがないようにしてください」
① | ② | ③ | ④ |
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正解
① | ② | ③ | ④ |
〇 | × | × | × |
分野
科目:E.不動産細目:5.不動産の譲渡に係る税金
解説
- 〇適切。相続人の居住用財産を共有名義で取得した場合、共有者各人ごとに譲渡益から最高3,000万円を控除することができます。
- ×不適切。本特例は、旧耐震基準の家屋に1人で住んでいた相続人の家屋と敷地を相続した人が、家屋を取り壊して更地にして売るか、家屋を一定の耐震基準に改修して家屋のみまたは家屋と敷地を合わせて売ることが要件となっています。家屋を取り壊して敷地だけを譲渡する場合には、以下の要件があります。
- 家屋を取り壊した日から1年以内にその敷地を売る契約をしていること
- 相続の時から家屋を取り壊した時まで、家屋を事業用、貸付用、居住用に使用していないこと
- 相続の時から敷地を売る契約をした時まで、敷地を事業用、貸付用、居住用に使用していないこと
- ×不適切。本特例の適用を受けるためには、相続開始日の3年後の年の12月31日までに売る必要があります。
- ×不適切。相続税の取得費加算の特例は、相続により取得した土地・建物・株式などを一定期間内に譲渡した場合に、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができる特例です。
相続税の取得費加算の特例と本特例はともに相続等で取得した資産の譲渡に係る特例であるという理由から、重複して適用を受けることはできません。他にも「収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除」などの収用系の特例の適用を受けている場合にも、本特例の適用を受けることができません。
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