FP2級 2023年1月 実技(FP協会:資産設計)問18

問18

会社員の山岸さんの2023年分の所得等が下記<資料>のとおりである場合、山岸さんが2023年分の所得税の確定申告を行う際に、給与所得と損益通算できる損失に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、▲が付された所得金額は、その所得に損失が発生していることを意味する。
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  1. 不動産所得▲100万円と損益通算できる。
  2. 副業の雑所得▲10万円と損益通算できる。
  3. 上場株式の譲渡所得▲150万円と損益通算できる。
  4. 損益通算できる損失はない。

正解 4

分野

科目:D.タックスプランニング
細目:4.損益通算

解説

〔不動産所得〕
不動産所得の損失は、他の所得と損益通算することができますが、損失のうち「土地等の取得に要した借入金の利子」に相当する額は損益通算の対象とはなりません。損失▲100万円から土地の取得に要した借入金の利子120万円を差し引くと「100万円-120万円=▲20万円 ⇒ 0円」となるため、損益通算できる金額はありません

〔雑所得〕
他の所得と損益通算できる損失は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得に限られます。雑所得の損失は損益通算の対象ではありません

〔譲渡所得:上場株式〕
上場株式の売却に係る譲渡所得は分離課税のため、その損失を給与所得と損益通算することはできません。譲渡所得のうち総合課税の他の所得と損益通算ができるのは、同じく総合課税の対象となる譲渡所得の損失に限られます。

したがって正しい説明は[4]です。