FP2級 2023年1月 実技(金財:個人)問10

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問10

甲土地の相続税評価に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
  1. 「甲土地は、地積が500㎡以上であり、指定容積率が400%であるため、地積規模の大きな宅地の評価の規定が適用されます」
  2. 「対象地の面する道路に付された『250C』の数値は、1㎡当たりの価額を千円単位で表示した相続税路線価です。数値の後に表示されている『C』の記号(アルファベット)は、借地権割合が70%であることを示しています」
  3. 「Aさんが、甲土地を青空駐車場として賃貸している場合、相続税額の計算上、甲土地は自用地として評価されます」

正解 

×

分野

科目:F.相続・事業承継
細目:6.相続財産の評価(不動産)

解説

  1. ×不適切。地積規模の大きな宅地とは、原則として、三大都市圏に所在する500㎡以上の宅地、三大都市圏以外の地域に所在する1,000㎡以上の宅地をいいます。ただし、以下の4つについては地積規模の大きな宅地から除かれます。
    1. 市街化調整区域内の宅地
    2. 工業専用地域内の宅地
    3. 指定容積率が400%(東京23区内は300%)以上の地域に所在する宅地
    4. 大規模工場用地
    甲土地は三大都市圏に所在する500㎡以上の土地ですが、指定容積率が400%以上であるため、地積規模の大きな宅地には該当しません。
    【参考】
    平成29年までは、その地域の標準的な宅地と比較して著しく広大な宅地(広大地)については「正面路線価×広大地補正率×地積」の3要素のみで相続税評価をすることになっていました。この従前の評価方法については、広大地に該当するかどうかの基準が相対的であり、また広大地補正率を乗じて一律で減ずるだけで、各土地の形状等が考慮されないため時価との相違が著しいケースが生じていました。この問題を解消するために、広大地に該当するかどうかの基準を定量化し、各土地の個性に応じ、奥行価格補正や不整形地補正等などを加えて評価額を算出することにしたのが「地積規模の大きな宅地の評価」です。
  2. 〇適切。路線価図では、宅地1㎡当たりの価格(千円単位)を示す数値の後ろにA~Gまでのアルファベットが付いています。このアルファベットはその土地の借地権割合を表したもので、"C"は借地権割合70%を意味します。
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  3. 〇適切。青空駐車場は建物の所有を目的としないので、賃料を払って他人から借りていても借地権は成立しません。借りている側の使用権の評価額がゼロなので、貸している側は自用地として評価することになります。