FP2級 2023年1月 実技(金財:個人)問13
問13
Aさんの相続に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。- 「遺産分割をめぐる争いを防ぐ手段として、遺言書の作成をお勧めします。自筆証書遺言は、法務局における保管制度を利用することで、遺言書の紛失等を防ぐことができ、相続開始後、家庭裁判所における遺言書の検認が不要となります」
- 「Aさんの相続に係る遺留分を算定するための財産の価額を4億円とした場合、長女Dさんの遺留分の金額は、1億円となります。遺留分を侵害する内容の遺言は無効となるため、遺言書を作成する際はご注意ください」
- 「長男Cさんが自宅の敷地および建物を相続により取得し、当該敷地(相続税評価額:8,000万円)について、特定居住用宅地等として『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けた場合、相続税の課税価格に算入すべき価額を1,600万円とすることができます」
① | ② | ③ |
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正解
① | ② | ③ |
〇 | × | × |
分野
科目:F.相続・事業承継細目:3.相続と法律
解説
- 〇適切。自筆証書遺言とは、遺言を作成する人が、財産目録を除く全文・日付・氏名を自筆し、これを押印することで作成する遺言書です。2020年より自筆遺言証書を法務局で安全に保管してもらえる「自筆証書遺言書保管制度」がスタートしていて、この制度を利用すれば遺言の紛失や隠ぺいなどを防止できると同時に、相続開始後に家庭裁判所で受ける検認を不要にできるという利点があります。
- ×不適切。本肢は遺留分の額については正しいですが、後半部分の「遺留分を侵害する内容の遺言は無効となる」という説明が間違っています。遺留分を侵害する内容を含む遺言も、原則として有効です。
なお、長女Dさんの遺留分の額の計算は以下のとおりです。- 遺留分全体の額 4億円×1/2=2億円
- 長女Dさんの法定相続分 1/2
- 長女Dさんの遺留分の額 2億円×1/2=1億円
- ×不適切。被相続人の居住していた自宅の敷地を相続によって取得した場合、特定居住用宅地等として、敷地面積のうち330㎡までの部分を限度として相続税の課税価格に算入する額が80%減額されます。自宅敷地400㎡のうち330㎡が80%減額されるので、減額分は以下のように計算します。
- 減額分 8,000万円×330㎡400㎡×80%=5,280万円
- 課税価格 8,000万円-5,280万円=2,720万円
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