FP2級過去問題 2023年9月学科試験 問35

問35

所得税の申告に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 青色申告者は、仕訳帳、総勘定元帳その他一定の帳簿を原則として10年間保存しなければならない。
  2. 青色申告者が申告期限後に確定申告書を提出した場合、適用を受けることができる青色申告特別控除額は最大55万円となる。
  3. 青色申告者の配偶者で青色事業専従者として給与の支払いを受ける者は、その者の合計所得金額の多寡にかかわらず、控除対象配偶者には該当しない。
  4. 青色申告者に損益通算してもなお控除しきれない損失の金額(純損失の金額)が生じた場合、その損失の金額を翌年以後最長で7年繰り越して、各年分の所得金額から控除することができる。

正解 3

問題難易度
肢111.2%
肢212.5%
肢364.9%
肢411.4%

解説

  1. 不適切。10年間ではありません。青色申告者は、帳簿や記帳の根拠となる書類を、原則として起算日から7年間(一部は5年間)保存しなければなりません。
    青色申告者は、総勘定元帳その他一定の帳簿を起算日から10年間、住所地もしくは居所地または事業所等に保存しなければならない。2019.9-37-3
    青色申告者は、総勘定元帳その他一定の帳簿を事業を廃止するまで、住所地もしくは居所地または事業所等に保存しなければならない。2018.9-36-4
    青色申告者は、総勘定元帳その他一定の帳簿を起算日から7年間、住所地もしくは居所地または事業所等に保存しなければならない。2016.9-36-4
  2. 不適切。65万円の青色申告特別控除を受けるための要件は次の4つです。
    1. 事業所得または不動産所得を生むべき事業を営んでいること
    2. 複式簿記で記帳していること
    3. 貸借対照表と損益計算書を添えて法定申告期限内に確定申告書を提出すること
    4. ①仕訳帳及び総勘定元帳を電子帳簿保存、または②e-Taxでの申告
    期限後に提出した場合には③の要件を満たさないため、青色申告特別控除額は最大で10万円となります。55万円の控除となるのは①~③を満たし、かつ、④の要件を満たさない場合です。
    青色申告者が、申告期限後に確定申告書を提出した場合、受けられる青色申告特別控除額は最大10万円となる。2019.9-37-4
  3. [適切]。その年に事業専従者給与を1円でも受け取っている配偶者は、控除対象配偶者に該当しません。配偶者控除の適用を受けるためには、配偶者の合計所得金額が48万円以下、配偶者が事業専従者ではない、納税者の合計所得金額が1,000万円以下などの要件を満たす必要があります。
  4. 不適切。7年間ではありません。青色申告者は、事業所得などに損失(赤字)の金額がある場合で、損益通算を行ってもなお控除しきれない部分の金額(純損失の金額)が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除できます(純損失の繰越控除)。
したがって適切な記述は[3]です。