FP2級 2023年9月 実技(金財:個人)問5
問5
Mさんは、Aさんに対して、X社株式を購入する際の留意点等について説明した。Mさんが説明した次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。- 「X社株式のPERは15倍を下回っています。一般に、PERが低い銘柄ほど株価は割安とされていますが、X社株式に投資する際は、他の投資指標とあわせて同業他社の数値と比較するなど、多角的な視点で検討することが望まれます」
- 「仮に、Aさんが特定口座(源泉徴収あり)において、X社株式を株価1,700円で300株購入して同年中に株価1,750円で全株売却した場合、その他の取引や手数料等を考慮しなければ、売却益1万5,000円に対して20.315%相当額が源泉徴収等されます」
- 「上場株式の配当を受け取るためには、普通取引の場合、権利確定日の2営業日前までに株式を買い付け、権利確定日まで売却せずに保有する必要があります。仮に、Aさんが202X年11月28日(火)にX社株式を普通取引により買い付け、翌営業日の29日(水)に売却した場合、X社株式の次回の配当を受け取ることはできません」
① | ② | ③ |
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正解
① | ② | ③ |
× | 〇 | × |
分野
科目:C.金融資産運用細目:5.株式投資
解説
- ×不適切。PER(株価収益率)は、株価が1株当たり当期純利益の何倍であるかを示す指標で「PER(倍)=株価÷1株当たり当期純利益」で計算します。
X社の当期純利益は5,200百万円(=52億円)、発行済株式総数は5,000万株ですので、1株当たりの当期純利益は「52億円÷0.5億株=104円」となります。X社の株価は1,700円なので、PERは「1,700円÷104円=16.34…倍」です。X社株式のPERは15倍を上回っているので誤った説明です。 - 〇適切。源泉徴収ありの特定口座内の上場株式等を売却した場合、得られた売却益に対して20.315%が源泉徴収されます。1株当たりの売却益は「1,750円-1,700円=50円」、300株全部を売却したので売却益は「50円×300株=15,000円」となります。したがって、15,000円の20.315%(3,047円)が源泉徴収されて入金されることになります。
- ×不適切。権利付き最終取引日とは、権利確定日に株主名簿に載る(=配当金や株主優待の権利を得る)ための最終取引日です。上場株式の引渡しは約定日から起算して3営業日後なので、権利確定日の2営業日前の日が権利付き最終取引日になります。11月30日(木)が権利確定日の場合、1営業日前は11月29日(水)、2営業日前は11月28日(火)です。11月28日(火)に購入して翌29日(水)に売却した場合、30日(木)に株式を受取り12月1日(金)に別の人に引き渡すことになります。30日(木)終了時点で株式を保有していますから、配当を受けることができます。
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