FP2級 2024年1月 実技(FP協会:資産設計)問18

問18

下記<親族関係図>の場合において、民法の規定に基づく法定相続分および遺留分に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる適切な語句または数値を語群の中から選び、その番号のみを解答欄に記入しなさい。なお、同じ番号を何度選んでもよいものとする。
<親族関係図>
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[相続人の法定相続分および遺留分]
  • 被相続人の孫Aおよび孫Bの各法定相続分は()である。
  • 被相続人の配偶者の遺留分は()、被相続人の孫Cの遺留分は()である。
  1. 1.ゼロ
  2. 2.1/2
  3. 3.1/3
  4. 4.1/4
  5. 5.1/6
  6. 6.1/8
  7. 7.2/3
  8. 8.1/12
  9. 9.1/16
(ア)(イ)(ウ)

正解 

(ア)(イ)(ウ)
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分野

科目:F.相続・事業承継
細目:3.相続と法律

解説

〔(ア)について〕
まず法定相続人になる者を考えます。民法の規定では、死亡した人の配偶者は常に法定相続人となり、配偶者以外の人は、「子」→「直系尊属」→「兄弟姉妹」の順序で配偶者と一緒に法定相続人になります。

設問のケースでは、まず存命中の配偶者が法定相続人になります。次に第1順位の3人の子はそれぞれ次のように取り扱われます。
長男
続放棄をしているため最初からいなかったものとみなされます。代襲相続も生じません
二男
本来は相続人となりますが、既に死亡しているため、二男の相続分は孫Cさんに代襲相続されます
三男
普通に相続人となります
以上より、法定相続人は、配偶者・(二男を代襲相続する)孫C・三男の3人となります。

法定相続分は、法定相続人の組合せによって次のように定められています。
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配偶者と子が法定相続人になるケースでは、配偶者が1/2、子が1/2ですので、各人の法定相続分は次のとおりです。
  • 配偶者 … 1/2
  • 孫C … 1/2×1/2=1/4
  • 三男 … 1/2×1/2=1/4
孫A・孫Bは相続人ではないため、法定相続分もありません。よって、正解は[1]のなしとなります。

〔(イ)、(ウ)について〕
遺留分が認められている遺族と、その割合は次の通りです。
18_2.png./image-size:473×140
配偶者と子が法定相続人になるケースでは、遺留分全体の額は遺留分算定基礎財産の1/2であり、これに法定相続分を乗じた額が各人の遺留分です。各人の遺留分は次のとおりです。
  • 配偶者 … 1/2×1/2=1/4
  • 孫C … 1/2×1/4=1/8
  • 三男 … 1/2×1/4=1/8
よって、(イ)は[4]の1/4、(ウ)は[6]の1/8がそれぞれ正解となります。