FP2級 2024年5月 実技(FP協会:資産設計)問9

問9

下記<資料>は、岡さんが購入を検討している物件の登記事項証明書の一部である。この登記事項証明書等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については一切考慮しないものとする。
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  1. 所有権以外の権利に関する事項が記載されている欄(A)は、権利部の乙区である。
  2. 大久保敏夫さんが株式会社TN銀行への債務を完済した場合の当該抵当権の登記は、自動的には抹消されない。
  3. 岡さんが本物件を購入し、所有権移転登記が完了した場合、原則として、岡さんに対して登記識別情報が通知される。
  4. 不動産登記には公信力があり、その内容が真実であると信じて取引した場合、原則として、法的に保護される。

正解 4

分野

科目:E.不動産
細目:1.不動産の見方

解説

  1. 適切。登記記録の権利部は、甲区と乙区の2つに区分されていて、甲区には所有者・取得時期・差押えなど所有権に関する事項が、乙区には抵当権・地上権など所有権以外の権利に関する事項が記録されています。抵当権が記録されている欄(A)は、権利部の乙区になります。
  2. 適切。抵当権は債務を完済することで消滅しますが、自動的に抵当権の登記が抹消されるわけではありません。抵当権を抹消させるためには、法務局で抵当権抹消の登記手続きをする必要があります。
  3. 適切。所有権移転登記が完了すると、権利者に対して英数字12桁の登記識別情報が通知されます。登記識別情報は、かつての登記済権利証に代わるもので、権利者本人であることを確認するために使う認証情報です。
  4. [不適切]。不動産登記には公信力はないため、原則として、その内容が真実であると信じて取引した場合でも法的には保護されません。不動産登記が有するのは、自己が権利者であることを第三者に対して主張できる法律上の効力(対抗力)です。
したがって不適切な記述は[4]です。