FP2級 2024年5月 実技(金財:個人)問11

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問11

Aさんが、甲土地上に賃貸マンションを建築する場合の課税等に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
  1. 「Aさんが甲土地上に賃貸マンションを建築して経営するために実家の建物を取り壊した場合、その取壊しに係る費用は、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することができません」
  2. 「Aさんが甲土地上に賃貸マンションを建築した場合、Aさんの相続に係る相続税額の計算上、甲土地は貸家建付地として評価されます。仮に、甲土地の自用地価額を8,000万円、借地権割合を70%、借家権割合を30%、賃貸割合を100%とした場合の相続税評価額は、6,320万円となります」
  3. 「NPV法による投資判断では、将来発生するキャッシュフローの現在価値の合計額と投資額を比較し、投資額のほうが大きい場合に、その投資は有利であると判断することができます。不動産投資においては、将来発生する収入や費用等について十分に検討したうえで投資判断をする必要があります」

正解 

×

分野

科目:E.不動産
細目:6.不動産の賃貸

解説

  1. 〇適切。賃貸用建物を建築するために居住用建物を取り壊した場合の取壊し費用は家事費とされており、必要経費に算入することはできません。不動産所得の必要経費となるのは、その敷地を譲渡する以外の目的で賃貸用建物を取り壊した場合です。
  2. 〇適切。甲土地に賃貸アパートを建築した場合、Aさんが所有している土地に、Aさんの所有する貸家が建っていることになります。このとき、その敷地は相続税評価上、貸家建付地として評価されます。貸家建付地の評価額の計算式は以下のとおりです。
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    自用地価額8,000万円、借地権割合70%、借家権割合30%、賃貸割合100%なので、
     8,000万円×(1-70%×30%×100%)
    =8,000万円×(1-0.21)
    =8,000万円×0.79=6,320万円
  3. ×不適切。有利と判断するのは「投資収益>投資額」となる場合です。NPV法(正味現在価値法)は、将来発生する収益を現在価値に割り引いたものの合計額と投資額の現在価値を比べて投資判断を行います。将来発生する収益の現在価値合計が投資額を上回っている場合に、その投資は投資適格(有利)であると判定できます。