FP2級 2024年5月 実技(金財:生保)問1

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問1

Mさんは、Aさんに対して、Aさんが受給することができる公的年金制度からの老齢給付について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な数値を、解答用紙に記入しなさい。年金額の計算にあたっては、《設例》の〈Aさんとその家族に関する資料〉および下記の〈資料〉に基づくこと。なお、年金額は2023年度価額に基づいて計算し、年金額の端数処理は円未満を四捨五入すること。

  1. 「Aさんが65歳に達すると、老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権が発生します。Aさんが65歳から受給することができる老齢基礎年金の額は、()円となります」
  2. 「Aさんが65歳から受給することができる老齢厚生年金の額は、()円となります。なお、Aさんの厚生年金保険の被保険者期間は()年以上ありませんので、老齢厚生年金の額に配偶者に係る加給年金額の加算はありません」
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正解 

① 743,656(円)
② 322,430(円)
③ 20(年)

分野

科目:A.ライフプランニングと資金計画
細目:5.公的年金

解説

〔①について〕
<資料>の老齢基礎年金の計算式を使います。原則として、20歳から60歳になるまでの40年間(480月)の全期間保険料を納めれば、65歳から満額の老齢基礎年金を受給できることになります。

Aさんは20~22歳の間に31月の学生納付特例期間がありますが、追納をしていないため、保険料納付済月数への算入はありません。その後、60歳まで厚生年金被保険者および国民年金第1号被保険者として保険料を納付する予定なので、Aさんの保険料納付済月数は480月から31月を減じた「480月-31月=449月」となります。

 795,000円×449月480月=743,656.2…円
(円未満四捨五入)743,656円

よって、正解は743,656(円)になります。

〔②、③について〕
<資料>の老齢厚生年金の計算式に従って計算します。

【報酬比例部分の額】
[ⓐ2003年3月以前の期間分]
 該当なし
[ⓑ2003年4月以後の期間分]
 300,000円×5.4811,000×196月=322,282.8円
[ⓐ+ⓑ]
(円未満四捨五入して)322,283円

【経過的加算額】
65歳以後の老齢厚生年金には、定額部分と老齢基礎年金相当額との差額である経過的加算額が加算されます。
被保険者期間の月数は196月、20歳以上60歳未満の被保険者期間の月数も同じく196月なので、計算式に当てはめると、

 1,657円×196月-795,000円×196月480月
=324,772円-324,625円=147円

【加給年金額】
加給年金は、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある人が、65歳到達時において生計を維持している65歳未満の配偶者または年金法上の子がいる場合に、老齢厚生年金に一定額が加算される制度です。Aさんの厚生年金保険の被保険者期間は20年(240月)未満のため加給年金額の加算はありません。

Aさんが受給できる老齢厚生年金の額は、報酬比例部分の額と経過的加算額を合計した金額です。

 322,283円+147円=322,430円

よって、②は322,430(円)、③は20(年)が正解となります。