FP2級過去問題 2025年5月学科試験 問16

問16

自動車損害賠償責任保険(以下、「自賠責保険」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 原動機付自転車は、自賠責保険の加入が義務付けられていない。
  2. 自賠責保険の保険金の支払限度額は、加害車両が1台である場合、被害者1人につき、死亡による損害については3,000万円である。
  3. 自賠責保険の補償の対象は対人賠償に限られ、対物賠償は補償の対象とならない。
  4. 自賠責保険では、被害者が、保険会社に対し、保険金額の限度において、損害賠償額の支払を請求することができる。

正解 1

問題難易度
肢177.3%
肢26.3%
肢38.5%
肢47.9%

解説

  1. [不適切]。自賠責保険の加入対象は、陸上移動を目的とする自動車および原動機付自転車です。二輪自動車(バイク)や原動機付自転車(原付バイク)も、自賠責保険への加入義務があります。
    二輪自動車および原動機付自転車の運行にあたって、自賠責保険の加入は任意ではなく強制とされている。2015.10-16-3
  2. 適切。自賠責保険の支払限度額は、被害者1人につき、死亡3,000万円、後遺障害4,000万円、傷害120万円です。加害車両が複数台の場合、支払限度額は加害車両の数に応じて増額されます。
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    自賠責保険における保険金の限度額は、被害者1人につき、死亡による損害については3,000万円、傷害による損害については120万円である。2015.10-16-4
  3. 適切。自賠責保険の補償の対象は「対人賠償」に限られます。人の死傷による治療費・慰謝料・逸失利益等などが補償される一方、車両や物の損害といった「対物賠償」は対象外です。
    自賠責保険の対象となる事故は対人賠償事故であり、対物賠償事故は対象とならない。2013.9-16-1
  4. 適切。自賠責保険では、保険加入者(加害者)だけでなく、被害者からも保険会社に対し保険金の支払いを請求することが認められています。この制度は「被害者請求」と呼ばれ、加害者側の手続きを待たずに、被害者が早期に補償を受けられるようになっています。
    自賠責保険では、被保険者(加害者)だけでなく被害者からも、保険会社に対して保険金の支払いを請求することができる。2013.9-16-2
したがって不適切な記述は[1]です。