FP2級過去問題 2025年5月学科試験 問18
問18
契約者(=保険料負担者)を法人とする損害保険に係る保険料等の経理処理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。- 被保険者および保険金受取人を従業員全員とする普通傷害保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができる。
- 保険期間5年の火災保険において、5年分の保険料を一括で支払った場合、その全額を支払った事業年度の損金の額に算入することができる。
- 業務用自動車が交通事故により損壊し、法人が受け取った自動車保険の車両保険の保険金の全額を充当して修理をした場合、当該保険金について経理処理をする必要はない。
- 倉庫に保管していた棚卸資産が火災により滅失し、法人が受け取った火災保険の保険金で同一の棚卸資産を取得した場合、当該棚卸資産について圧縮記帳の適用を受けることができる。
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正解 1
問題難易度
肢151.1%
肢28.3%
肢39.4%
肢431.2%
肢28.3%
肢39.4%
肢431.2%
分野
科目:B.リスク管理細目:4.損害保険
解説
- [適切]。法人が契約する損害保険において、すべての役員・従業員を被保険者および保険金受取人とする普通傷害保険では、支払保険料の全額を「福利厚生費」として損金に算入します。被保険者が役員、保険金受取人が法人である普通傷害保険の保険料は、全額を福利厚生費として損金に算入する。(2014.1-18-2)
- 不適切。火災保険料として数年分を一括で支払った場合、保険料は事業年度ごとに期間按分しなくてはいけません。支払った年度の経過期間分は「支払保険料」として当該年度の損金に算入できますが、翌期以降の保険料は「前払保険料」として資産に計上されます。火災により倉庫を焼失するリスクに備えて、保険期間5年の火災保険に加入し、5年分の保険料を一括で支払った場合、その事業年度に、支払った保険料の全額を損金の額に算入することができる。(2022.5-18-1)法人が所有する建物を対象とする長期の火災保険に加入し、保険料を一括で支払った場合、支払った保険料のうち当該事業年度に係る部分を損金の額に算入することができる。(2021.1-19-1)被保険者がすべての役員・従業員、保険金受取人が被保険者またはその遺族である普通傷害保険について、3年分の保険料を一括で支払った場合、その全額を支払った事業年度の損金に算入する。(2016.1-17-1)被保険者がすべての役員・従業員、保険金受取人が被保険者またはその遺族である普通傷害保険について、3年分の保険料を一括で支払った場合、その全額を支払った事業年度の損金に算入する。(2013.1-17-1)
- 不適切。法人が交通事故により自動車保険の保険金を受け取ったときには、保険金の全額を「雑収入」として益金に算入します。また、自動車の修理に要した額は「修繕費」として損金の額に算入できます。法人が所有する業務用自動車が交通事故で損壊し、法人が受け取った自動車保険の車両保険の保険金で修理をした場合、当該保険金を益金の額に算入し、当該修理費を損金の額に算入することができる。(2022.5-18-3)
- 不適切。圧縮記帳の適用対象となるのは、固定資産の滅失等に対して支払われた保険金です。商品や製品などの棚卸資産の損害を補填する保険金には圧縮記帳は適用されません。
なお、圧縮記帳は、保険金等に対する税負担を軽減するために、保険金等の額のうち固定資産の取得に充てた一定の金額を損金として計上して、保険金等への課税を翌年以降に繰り延べることができる制度です。
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