損害保険(全106問中103問目)

No.103

法人が契約者(=保険料負担者)である損害保険契約に係る経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2013年5月試験 問17
  1. 従業員が業務中の事故により死亡し、普通傷害保険の死亡保険金を従業員の遺族が保険会社から直接受け取った場合、法人は死亡保険金に関して経理処理をする必要はない。
  2. 自動車保険の人身傷害補償保険の後遺障害保険金が、保険会社から法人の従業員に対して直接支払われた場合、法人は後遺障害保険金に関して経理処理をする必要はない。
  3. 積立傷害保険の満期返戻金と契約者配当金を法人が受け取った場合、受け取った全額を益金に算入し、資産計上していた積立保険料の累計額を損金に算入する。
  4. 従業員が海外出張中の事故によるケガで死亡し、海外旅行傷害保険の死亡保険金を法人が受け取り、その全額を死亡退職金として従業員の遺族に支払った場合、法人は死亡保険金に関して経理処理をする必要はない。

正解 4

問題難易度
肢19.3%
肢25.4%
肢317.9%
肢467.4%

解説

  1. 適切。保険会社からの死亡保険金を従業員の遺族が直接受け取った場合には、法人は死亡保険金に関して何ら経理処理をする必要はありません。
    海外旅行傷害保険の傷害治療費用保険金を従業員が保険会社から直接受け取った場合、法人は当該保険金に関して経理処理をする必要はない。2014.1-18-4
  2. 適切。対人・対物賠償保険金が保険会社から従業員に対して直接支払われた場合、法人は経理処理をする必要はありません。
  3. 適切。積立傷害保険の満期返戻金と契約者配当金を法人が受け取った場合、満期返戻金と契約者配当金の合計を益金として算入し、資産計上していた積立保険料勘定の全額を取り崩します。そして両方の差額を雑収入または雑損失として計上します。
    積立傷害保険が満期を迎え、法人が満期返戻金と契約者配当金を受け取った場合、その全額を益金の額に算入し、資産に計上していた積立保険料の累計額を損金の額に算入することができる。2022.5-18-4
    積立火災保険の満期返戻金と契約者配当金を法人が受け取った場合、いずれもその2分の1相当額を益金の額に算入し、それまで資産計上していた積立保険料の累計額を損金の額に算入することができる。2021.5-18-2
    積立普通傷害保険の満期返戻金と契約者配当金を法人が受け取った場合、いずれも全額を益金の額に算入し、それまで資産計上していた積立保険料の累計額を取り崩して損金の額に算入することができる。2021.1-19-4
    積立火災保険の満期返戻金を法人が受け取った場合、受け取った全額を益金の額に算入し、それまで資産計上していた積立保険料の累計額を損金の額に算入する。2019.9-18-2
    積立火災保険の満期返戻金と契約者配当金を法人が受け取った場合、受け取った全額を益金に算入し、それまで資産計上していた積立保険料の累計額を損金に算入する。2018.5-17-4
    積立火災保険の満期返戻金と契約者配当金を法人が受け取った場合、受け取った全額を益金に算入し、それまで資産計上していた積立保険料の累計額を損金に算入する。2016.9-18-3
  4. [不適切]。法人側で2段階の経理処理が必要です。まず、法人が死亡保険金を受け取った時点で、その金額を益金に算入します。その後、従業員の家族に死亡退職金を支払った時点で、その金額を損金に算入します。
したがって不適切な記述は[4]です。