マーケット環境の理解(全27問中4問目)

No.4

為替相場や金利の変動要因等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2023年5月試験 問21
  1. 日本の物価が米国と比較して相対的に上昇することは、一般に円高米ドル安の要因となる。
  2. 米国が政策金利を引き上げ、日本と米国との金利差が拡大することは、一般に円安米ドル高の要因となる。
  3. 日本の対米貿易赤字が拡大することは、一般に円安米ドル高の要因となる。
  4. 日本銀行が、国債買入オペによって長期国債(利付国債)を買い入れ、金融市場に資金を供給することは、一般に市中金利の低下要因となる。

正解 1

問題難易度
肢152.3%
肢210.1%
肢323.2%
肢414.4%

解説

  1. [不適切]。日本国内の物価が上昇すると、同じ金額で買えるものが少なくなるので円貨の価値が下がることになります。米ドルとの比較で相対的に円貨の価値が下がるので、一般に円安の要因となります。
    日本の物価が米国と比較して相対的に上昇することは、一般に、円安要因となる。2022.9-21-2
    米国の物価が日本と比較して相対的に上昇することは、一般に、円安米ドル高要因となる。2019.9-21-2
    日本の対米貿易黒字の拡大は、一般に、円高米ドル安要因となる。2019.9-21-3
    日本の物価が米国と比較して相対的に上昇し、過度なインフレが予想されるとき、一般に、円高傾向となる。2017.9-21-4
  2. 適切。米国が政策金利を引き上げ、日本との金利差が拡大すると、市場では金利が低い円貨を売って金利が高い米ドルを買う流れが強まります。これにより、一般に円安の要因となります。
    米国が政策金利を引き上げることにより、日本と米国との金利差が拡大することは、一般に、円安要因となる。2022.9-21-3
    米国が政策金利を引き上げ、日本との金利差が拡大することは、一般に、円安米ドル高要因となる。2019.9-21-4
    米国の金利が上昇し日本との金利差の拡大が予想されるとき、一般に、円高傾向となる。2017.9-21-1
    米国が政策金利を引き上げ、日本との金利差が拡大することは、円とドルの為替相場において、円安要因となる。2016.9-21-4
  3. 適切。貿易赤字とは、海外から国内への輸入額が、国内から海外への輸出額を上回っている状態です。貿易赤字が拡大すると、輸出による売上代金を外貨から円貨に交換するよりも、輸入による仕入代金を支払うために円貨を外貨に交換する需要のほうが高まるため、一般に円安の要因となります。
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    日本の貿易黒字の拡大は、一般に、円安要因となる。2022.9-21-1
  4. 適切。公開市場操作は、日本銀行が実施する財政政策の1つで、通貨の市場流通量を調整することを目的とします。公開市場操作には買いオペレーションと売りオペレーションがあります。買いオペを実施すると、金融市場の資金量が増えるため、市中金利を引き下げる効果があります。
    買いオペレーション(通称、買いオペ)
    金融機関の保有する有価証券等を日本銀行が買い入れることで、通貨を日本銀行から市場へ移動させる操作。市中に出回る通貨量が増加するので、金融を緩和し、金利を引き下げる効果がある。
    売りオペレーション(通称、売りオペ)
    日本銀行が保有する有価証券等を金融機関に売却することで、通貨を市場から日本銀行へ移動させる操作。市中に出回る通貨量が減少するので、金融を引き締め、金利を引き上げる効果がある。
したがって不適切な記述は[1]です。