相続と法律(全76問中49問目)

No.49

遺言および遺留分に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2017年5月試験 問56
  1. 公正証書によって遺言をする際には、証人2人以上の立会いが必要とされる。
  2. 公正証書による遺言を撤回するための新たな遺言は、公正証書による遺言でなければならない。
  3. 被相続人の子の遺留分は、遺留分算定基礎財産の価額の2分の1相当額に法定相続分を乗じた額である。
  4. 被相続人の兄弟姉妹に遺留分は認められない。

正解 2

問題難易度
肢14.7%
肢273.2%
肢314.0%
肢48.1%

解説

  1. 適切。公正証書遺言を作成する際には、証人2人以上の立会いが必要となります。ただし、未成年者、推定相続人・受遺者とその配偶者および直系血族等は証人になることができません。
    自筆証書によって遺言をするためには、作成時、証人2人以上の立会いが必要である。2021.9-53-2
    公正証書によって遺言をするには証人2人以上の立会いが必要であり、推定相続人は、その証人になることができる。2018.1-55-4
    公正証書によって遺言をするには証人2人以上の立会いが必要であり、推定相続人は、その証人になることができる。2016.9-55-2
  2. [不適切]。遺言の撤回は、原則として、新しく作成した遺言に以前の遺言を撤回する旨を記述する方法により行います。どの遺言方式も効力に違いはなく、以前と同じ方式である必要もないため、公正証書遺言の記載内容を自筆証書遺言で撤回することも可能です。
  3. 適切。遺留分全体の割合は、遺留分の権利者が直系尊属のみの場合は遺留分算定基礎財産の3分の1、それ以外は2分の1です。各人の遺留分は、遺留分全体の額に各人の法定相続分を乗じたものになります。したがって、子の遺留分は、遺留分算定基礎財産の2分の1相当額に当該子の法定相続分を乗じた額となります。
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  4. 適切。遺留分が認められるのは、法定相続人であるの配偶者・子・直系尊属に限られており、兄弟姉妹には遺留分が認められていません。兄弟姉妹は、被相続人と住居及び生計を別にしていることが多く、相続により財産を取得できなかったために生活が困窮することは少ないと考えられるからです。
    被相続人の兄弟姉妹に遺留分は認められない。2019.9-55-3
したがって不適切な記述は[2]です。