相続と法律(全76問中59問目)

No.59

遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2015年10月試験 問54
  1. 被相続人は、遺言で、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。
  2. 公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもとで作成され、その公正証書の原本が公証役場に保存される。
  3. 遺言者が自筆証書遺言と公正証書遺言の両方を作成していた場合は、公正証書遺言の作成日付が自筆証書遺言の作成日付よりも前であっても、公正証書遺言の内容が優先して有効とされる。
  4. 遺言書(公正証書遺言として作成されたものを除く)の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。

正解 3

問題難易度
肢17.5%
肢26.4%
肢379.7%
肢46.4%

解説

  1. 適切。被相続人は遺言書にて相続開始時から最長5年間、遺産の分割を禁止することができます。
    被相続人は、遺言で、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。2024.9-55-1
    被相続人は、遺言によって、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。2023.1-55-4
    被相続人は、遺言で、相続開始の時から1年間に限り、遺産の分割を禁ずることができる。2022.9-53-3
    被相続人は、遺言によって、相続開始の時から10年間、遺産の分割を禁ずることができる。2020.1-56-4
    被相続人は、遺言によって、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。2019.5-54-1
    被相続人は、遺言によって、相続開始の時から10年間、遺産の分割を禁ずることができる。2017.9-54-1
    被相続人は、遺言により、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。2016.1-55-1
  2. 適切。公正証書遺言は、証人2人以上の立会いが必要で、原本は公証役場に保管されるので紛失・偽造・変造の心配はありません。
    公正証書遺言は、証人2人以上の立会いの下で作成され、その公正証書の原本が公証役場に保存される。2014.5-55-2
    公正証書による遺言は、その公正証書の原本が公証役場に保存されるので、紛失・改ざん・隠匿等のおそれがない。2013.5-52-1
  3. [不適切]。遺言書は種類を問わず、常に日付の新しいものが有効になります。同一事項について内容が異なる場合は、新しい遺言により撤回したとみなされます。
    遺言者が自筆証書遺言と公正証書遺言の両方を作成していた場合は、公正証書遺言の作成日付が自筆証書遺言の作成日付よりも前であっても、公正証書遺言の内容が優先して有効される。2014.1-54-4
  4. 適切。自筆証書遺言・秘密証書遺言については、相続の開始があったことを知った後、遅滞なく家庭裁判所に提出して検認を請求しなければなりません。
    遺言者が自筆証書遺言を作成して自筆証書遺言書保管制度を利用した場合、その相続人は、相続開始後、遅滞なく家庭裁判所にその検認を請求しなければならない。2021.5-60-4
したがって不適切な記述は[3]です。