相続財産の評価(不動産以外)(全17問中13問目)

No.13

相続税における取引相場のない株式の評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2017年9月試験 問56
  1. 類似業種比準方式における比準要素には、1株当たりの配当金額、1株当たりの利益金額および1株当たりの純資産価額がある。
  2. 純資産価額方式による株式の価額は、評価会社の課税時期における資産を原則として相続税の評価額に評価替えした合計額から負債の金額の合計額および評価差額に対する法人税額等相当額を差し引いた残りの金額を課税時期の発行済株式数で除した金額により評価する。
  3. 類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式により評価する場合、類似業種比準額のウェイト(Lの割合)は「中会社の大」は0.90「中会社の中」は0.75、「中会社の小」は0.60である。
  4. 配当還元方式による株式の価額は、その株式の1株当たりの年配当金額を5%で還元した元本の金額で評価する。

正解 4

問題難易度
肢18.9%
肢216.3%
肢323.7%
肢451.1%

解説

  1. 適切。類似業種比準方式とは、評価会社と事業内容が類似する上場株式の株価と、配当、利益、純資産を比較して評価額を求める方式です。
    類似業種比準方式における比準要素は、1株当たりの配当金額、1株当たりの利益金額および1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)である。2023.5-57-1
    類似業種比準方式における比準要素には、1株当たりの配当金額、年利益金額および純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)がある。2015.10-56-2
  2. 適切。純資産価額方式は、課税時期に会社を解散して会社財産を処分し清算する場合に、払戻しがいくらあるかを計算して評価額とする方式で、「相続税評価額による純資産」から「法人税相当額(含み益相当額×37%)」を控除して求めます。
  3. 適切。類似業種比準方式と純資産価額方式との併用方式の計算式は、類似業種比準価額×L+純資産価額×(1-L) です。Lの割合は中会社の大は0.90、中会社の中は0.75、中会社の小は0.60になります。
  4. [不適切]。配当還元方式は、過去の配当実績を基準として評価額を求める方式で、1株当たり年間配当金額を10%で還元した元本の金額で評価します。記述の「5%」の部分が誤りです。
    配当還元方式では、株式の1株当たりの年配当金額を5%の割合で還元して元本である株式の価額を評価する。2024.1-57-4
    配当還元方式による株式の価額は、その株式の1株当たりの年配当金額を5%の割合で還元した元本の金額によって評価する。2022.5-58-4
    配当還元方式による株式の価額は、その株式の1株当たりの年配当金額を5%で還元した元本の金額によって評価する。2019.1-58-1
したがって不適切な記述は[4]です。