FP2級過去問題 2013年1月学科試験 問23

問23

投資信託の分類および運用手法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 組入れ資産のほとんどが債券で株式の組入れがまったくない証券投資信託であっても、約款上の投資対象に株式が含まれていれば、公社債投資信託ではなく株式投資信託に分類される。
  2. ベンチマークを上回る運用成績をあげることを目標とする運用スタイルは、アクティブ運用と呼ばれる。
  3. 株式投資信託において、個別銘柄の割安性を重視して銘柄選択を行う運用手法をバリュー投資と呼び、パッシブ運用の類型に区分される。
  4. 派生商品型の投資信託で「ブル型」と「ベア型」と呼ばれるタイプのうち、「ベア型」は、ベンチマークとする相場が下落すると基準価額が上昇するように設計されている。

正解 3

問題難易度
肢119.4%
肢26.0%
肢350.3%
肢424.3%

解説

  1. 適切。投資信託は約款上、以下の2つに分類されます。
    株式投資信託
    株式を組み入れることができる投資信託
    公社債投資信託
    株式を一切組み入れることができない投資信託
    このため、投資対象に株式が含まれていれば株式投資信託に分類されます。
    組入れ資産のほとんどを債券が占め、株式をまったく組み入れていない証券投資信託であっても、約款上、株式に投資することができれば、株式投資信託に分類される。2022.9-22-1
  2. 適切。株式投資信託の運用手法をベンチマーク(特定の運用指標)に対する態度で分けると、以下の2つに分類できます。
    パッシブ運用
    ベンチマークに連動する運用成果を目指す運用スタイル
    アクティブ運用
    ベンチマークを上回る運用成果を目指す運用スタイル
    ベンチマークを上回る運用成績をあげることを目標とするのはアクティブ運用です。ちなみに、アクティブ運用はファンドマネージャーによる個別分析の上で運用するため、パッシブ運用に比べ信託報酬が高く設定されている傾向にあります。
    ベンチマークを上回る運用実績を上げることを目指す運用スタイルを、アクティブ運用という。2021.9-23-2
    ベンチマークを上回る運用成績を目指して運用される株式投資信託は、アクティブ運用のファンドに分類される。2013.9-23-4
  3. [不適切]。企業の利益や資産などからみて株価が割安なものを選択する運用手法はバリュー投資と呼ばれますが、アクティブ運用に区分されます。
  4. 適切。ベア型は、ベンチマークとする相場が下落したときに収益が得られるように設計されているファンドです。逆に、ブル型は、相場が上昇したときに収益が得られる設計になっています。
    「ブル型」「ベア型」と呼ばれる特殊型の投資信託のうち、「ベア型」は、ベンチマークが下落すると基準価額が上昇するように設計されている。2024.5-23-4
    「ブル型」「ベア型」と呼ばれる特殊型の投資信託のうち、「ベア型」は、ベンチマークが下落すると基準価額が上昇するよう設計されている。2021.9-23-4
したがって不適切な記述は[3]です。