FP2級過去問題 2013年5月学科試験 問28

問28

分散投資の手法や考え方に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 財産を3種類の異なる資産で所有する、いわゆる「財産3分法」は、異なる資産を組み合わせた分散投資の一手法といえる。
  2. ドルコスト平均法は、異なる通貨を組み合わせた分散投資の一手法といえる。
  3. 輸出型企業の株式を保有している場合、輸入型企業の株式にも投資することで、為替相場の変動によるリスクを緩和する効果が期待できる。
  4. 残存期間の長い固定利付債券だけを保有している場合、その一部を残存期間の短い固定利付債券に移し替えることで、金利変動によるリスクを緩和する効果が期待できる。

正解 2

問題難易度
肢13.9%
肢267.2%
肢310.4%
肢418.5%

解説

  1. 適切。財産3分法とは、保有している資産を、不動産・債券・株式という3種類の異なる性質を持つ資産に分散して保有することにより、リスクを抑えながら安定した収益の獲得を目指す考え方です。
    財産を3種類の異なる資産で所有する、いわゆる「財産3分法」は、分散投資の一手法といえる。2021.3-28-3
  2. [不適切]。ドルコスト平均法とは、価格変動のある特定の金融商品を購入する際に、一度にまとめて購入するのではなく、均等額ずつを定期的に積立投資していく方法です。価格が安いときにはたくさん買い、価格が高いときには少しだけ買うので平均購入単価を平準化できる利点があります。名称に「ドル」が入っていますが、複数の通貨を組み合わせるわけではありません。
    なお、異なる通貨を組み合わせて為替リスクを低減する考え方は「通貨分散」といいます。
    ドルコスト平均法は、異なる通貨を組み合わせた分散投資の一手法といえる。2021.3-28-4
  3. 適切。為替が円高になると、輸出企業の株式の下落要因となりますが、輸入企業の株式の上昇要因となるため、両方に投資することで為替相場の変動によるリスクを緩和する効果が期待できます。
    株式投資において、輸出型企業の株式を保有している場合、輸入型企業の株式にも投資することで、為替相場の変動によるリスクを軽減する効果が期待できる。2021.3-28-2
  4. 適切。残存期間が長い債券は、残存期間が短い債券よりも、償還時までに金利変動の影響を受ける期間が長く、金利変動に対する価格変動幅が大きくなります。このため、一部を残存期間の短い固定利付債券に移し替えることで、金利変動によるリスクを緩和する効果が期待できます。
    債券投資において、残存期間の長い固定利付債だけを保有している場合、その一部を残存期間の短い固定利付債に組み替えることで、金利変動によるリスクを軽減する効果が期待できる。2021.3-28-1
したがって不適切な記述は[2]です。