FP2級過去問題 2015年10月学科試験 問5(改題)

問5

老齢基礎年金の繰上げ支給および繰下げ支給に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 65歳到達時に老齢基礎年金の受給権を有する者が、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をする場合、その申出は66歳到達日以降に行うことができる。
  2. 2022年4月1日以降に60歳になる者が老齢基礎年金を繰り上げて受給する場合、老齢基礎年金の額は繰上げ月数1月当たり0.4%の割合で減額される。
  3. 2022年4月1日以降に70歳になる者が老齢基礎年金を繰り下げて受給する場合、繰下げによる加算額を算出する際の増額率は、最高42%である。
  4. 老齢基礎年金の繰上げ支給の請求後は、繰上げ請求を取り消したり、受給開始年齢を変更したりすることはできない。

正解 3

問題難易度
肢110.6%
肢24.6%
肢381.5%
肢43.3%

解説

  1. 適切。老齢基礎年金の繰下げ請求は、66歳になる前に老齢基礎年金の支給の請求をしていなければ、66歳以降に申出することができます。
    65歳到達時に老齢基礎年金の受給権を有する者が、70歳到達時に老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合、老齢基礎年金の増額率は30%となる。2021.3-6-3
    65歳到達時に老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている者が、68歳到達日に老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合の老齢基礎年金の増額率は、18.0%となる。2017.5-5-1
    65歳到達時に老齢基礎年金の受給権を有する者が、70歳到達時に老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合、年金額の増額率は42%である。2016.9-5-4
    65歳到達時に老齢基礎年金の受給権を有する者が、70歳到達時に老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合、年金の増額率は42%である。2016.5-6-2
    65歳到達時に老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている者が、68歳到達日に老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合の年金額の増額率は、18.0%である。2015.9-6-3
    65歳到達時に老齢基礎年金の受給権を有する者が、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をする場合、その申出は66歳到達日以降に行うことができる。2013.5-5-3
  2. 適切。老齢基礎年金を繰上げて受給する場合は「繰上げ月数×0.4」の額が減額されます。繰上げ期間は最大で5年(60歳から受給)ですので、減額率は最大で「60月×0.4%=24%」になります。
    ※1962年4月1日以前生まれの人は0.5%
    2022年4月1日以降に60歳になる人が老齢基礎年金の繰上げ支給の請求をした場合、老齢基礎年金の額は繰上げ月数1月当たり0.4%の割合で減額される。2013.5-5-1
  3. [不適切]。老齢基礎年金を繰下げて受給する場合は「繰下げ月数×0.7%」の額が増額されます。繰下げ期間は最大で10年(75歳から受給)ですので、増額率は最大で「120月×0.7%=84%」になります。
  4. 適切。繰上げ支給の受給権発生後に請求の取消しを申し出ても、請求の取消し・変更することはできません。
したがって不適切な記述は[3]です。