FP2級 2016年5月 実技(金財:個人)問11

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問11

Aさんが、甲土地および乙土地を一体利用して耐火建築物を建築する場合の、最大建築面積および最大延べ面積を求める次の〈計算式〉の空欄①~④に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

〈計算式〉
  1. 最大建築面積
    • 甲土地 300㎡×□□□%=□□□㎡
    • 乙土地 200㎡×□□□%=()㎡
       ∴□□□㎡+()㎡=()㎡
  2. 最大延べ面積
    (ア)容積率の判定
    • 甲土地
      指定容積率:400%
      前面道路幅員による容積率の制限:□□□%
       ∴□□□%
    • 乙土地
      指定容積率:300%
      前面道路幅員による容積率の制限:()%
       ∴□□□%
    (イ)最大延べ面積
    • 甲土地:300㎡×□□□%=□□□㎡
    • 乙土地:200㎡×□□□%=□□□㎡
      ∴□□□㎡+□□□㎡=()㎡

正解 

① 140(㎡)
② 440(㎡)
③ 240(%)
④ 1,560(㎡)

分野

科目:E.不動産
細目:3.不動産に関する法令上の規制

解説

〔①について〕
建築面積の限度は「敷地面積×建ぺい率」で計算します。建物を真上から見たときの面積が建築面積になり、一般的な住宅の場合、1階より2階の面積の方が狭いことが多いので、1階の面積が建築面積に該当しますが、2階の方が1階よりも面積が大きい場合は、2階の面積が建築面積に該当します。

建ぺい率を考えるときは、以下の建ぺい率の緩和要件を考慮する必要があります。
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甲土地は防火地域、乙土地は準防火地域ですが、防火地域とそうではない地域にわたって建築物を建築するときは、防火規制の厳しい方の防火規制を受けます。したがって全体に防火地域内の建築物に関する規定が適用されます。

[甲土地]
指定建ぺい率が80%の防火地域内に耐火建築物を建てるときは、建ぺい率の制限が適用されません。つまり、建ぺい率100%で計算することになります。甲土地の面積は300㎡なので、建築面積の限度は、

 300㎡×100%=300㎡

[乙土地]
指定建ぺい率が80%以外の防火地域に耐火建築物を建築する場合、+10%の緩和を受けられます。乙土地の指定建ぺい率は60%なので、建ぺい率は「60%+10%=70%」になります。乙土地の面積は200㎡なので、建築面積の限度は、

 200㎡×70%=140㎡

よって、正解は140(㎡)になります。

〔②について〕
甲土地300㎡+乙土地140㎡=440㎡

よって、正解は440(㎡)になります。

〔③について〕
延べ面積の最高限度は「敷地面積×容積率」で計算します。前面道路の幅員(2つの道路に接しているときは広い方)が12m未満のときは、都市計画で定められた容積率と「前面道路の幅員×法定乗数」のいずれかの低い方が容積率となります。法定乗数は設例で与えられるので覚える必要はありませんが、住居系用途地域が4/10、その他の用途地域が6/10です。

本問では2つの土地を一体として利用するので、甲土地・乙土地を1つの繋がった土地としてみなし、どちらについても6mの道路が前面道路となります。

[甲土地]
「6m×6/10=3.6=360%」と 指定容積率400%を比べて低い方の360%が容積率となります。

[乙土地]
「6m×4/10=2.4=240%」と 指定容積率300%を比べて低い方の240%が容積率となります。

よって、正解は240(%)になります。

〔④について〕
土地ごとに敷地面積に容積率を掛けて床面積の限度を算出し、それを合計します。

[甲土地]
300㎡×360%=1,080㎡
[乙土地]
200㎡×240%=480㎡

2つを合計して、1,080㎡+480㎡=1,560㎡

よって、正解は1,560(㎡)になります。