FP2級 2016年5月 実技(金財:生保)問2

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問2

次に、Mさんは、Aさんに対して、Aさんが65歳以後に受給することができる公的年金制度からの老齢給付について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~②に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、年金額は2015年10月時点の価額に基づいて計算し、年金額の端数処理は円未満を四捨五入すること。

 「Aさんが65歳に達した日に、特別支給の老齢厚生年金の受給権は消滅し、新たに老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権が発生します。Aさんの場合、65歳から受給することができる老齢基礎年金の額は、年額()円となります。
 65歳から支給される老齢厚生年金の額は、下記<資料>の計算式により、算出することができます。なお、Aさんの厚生年金保険の被保険者期間が20年以上、かつ、Aさんと生計維持関係にある妻Bさんが厚生年金保険の被保険者期間が20年以上の老齢厚生年金などの公的年金を受給していないため、Aさんの老齢厚生年金には、一定期間、配偶者の加給年金額が加算されます。
 したがって、Aさんが65歳から受給することができる老齢厚生年金の額は、年額()円となります」
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正解 

① 732,969(円)
② 1,632,047(円)

分野

科目:A.ライフプランニングと資金計画
細目:5.公的年金

解説

〔①について〕
<資料>の老齢基礎年金の計算式を使います。原則として、20歳から60歳になるまでの40年間(480月)の全期間保険料を納めれば、65歳から満額の老齢基礎年金を受給できることになります。

Aさんは20~22歳の時に29月の未加入期間がありますが、免除の申請も後納もしていないため、保険料納付済月数への算入はありません。その後、厚生年金に加入して60歳までもれなく第2号被保険者となっているので、全期間(480月)から未加入期間29月を減じた「480月-29月=451月」がAさんの保険料納付済月数となります。20歳未満や60歳以上の第2号被保険者期間は老齢基礎年金額には反映されません。

 780,100円×451月480月=732,968.9…円
(円未満四捨五入して)732,969円

よって、正解は732,969(円)になります。

〔②について〕
<資料>老齢厚生年金の計算式に当てはめていきます。

【報酬比例部分の額】
[ⓐ2003年3月以前の期間分]
 320,000円×7.1251,000×288月=656,640円
[ⓑ2003年4月以後の期間分]
 440,000円×5.4811,000×223月=537,795.72円
[ⓐ+ⓑ]
 656,640円+537,795.72円=1,194,435.72円
(円未満四捨五入して)1,194,436円

【経過的加算額】
被保険者期間の月数は「288月+223月=511月」ですが、上限が480月なので480月を使います。20歳以上60歳未満の被保険者期間の月数は、60歳から65歳までの5年分(60月)を差し引いた「511月-60月=451月」なので、計算式に当てはめると、

 1,626円×480月-780,100円×451月480月
=780,480円-732,968.95…円=47,511.05…円
(円未満四捨五入して)47,511円

【加給年金額】
設問中にAさんには加算されると説明されているので、390,100円を加算します。

Aさんの老齢厚生年金の額は3つを合計して、

 1,194,436円+47,511円+390,100円=1,632,047円

よって、正解は1,632,047(円)になります。