FP2級 2017年5月 実技(金財:個人)問12
問12
Aさんが、《設例》の条件等のとおり譲渡予定物件を譲渡し、購入予定マンションを購入して、「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」の適用を受けた場合の課税長期譲渡所得金額に係る所得税、復興特別所得税および住民税の合計額を計算した次の〈計算式〉の空欄①~④に入る最も適切な数値を求め、解答用紙に記入しなさい。なお、《設例》に記載されているもの以外の費用等はないものとする。また、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。〈計算式〉
- Aさんの持分に応じた金額明細
譲渡価額 8,000万円×1/2=4,000万円
概算取得費 4,000万円×(①)%=□□□万円
譲渡費用 (90万円+260万円)×(②)=□□□万円 - 特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例
- 収入金額 □□□万円-買換え資産取得価額3,680万円=□□□万円
- 取得費・譲渡費用
(□□□万円+□□□万円)×(□□□万円/□□□万円)=(③)円 - 譲渡益 □□□万円-(③)円=□□□円
- 所得税、復興特別所得税および住民税の合計額(100円未満切捨て)
(④)円
①% |
② |
③円 |
④円 |
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正解
① 5(%) |
② 1/2 |
③ 300,000(円) |
④ 589,100(円) |
分野
科目:E.不動産細目:5.不動産の譲渡に係る税金
解説
「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」は、譲渡した年の1月1日時点における所有期間が10年超、かつ、居住期間が10年以上の居住用財産を1億円以下で譲渡し、新たに床面積が50㎡以上の居住用財産に買い替えた場合に、買換え資産の取得金額に相当する分の譲渡益を次年度以降に繰り延べられる制度です。
〔①について〕
譲渡所得の計算において、取得費が不明な場合や実際の取得費が譲渡価格の5%相当額を下回る場合は、譲渡価格の5%相当額を概算取得費とすることができます。
よって、正解は5(%)になります。
〔②について〕
譲渡費用は、取壊し費用90万円に譲渡にかかる費用260万円を加えた350万円ですが、譲渡予定物件は持分割合が2分の1ずつですので、各人が負担した費用を計算するには、譲渡費用も2分の1にする必要があります。
よって、正解は1/2になります。
〔③、④について〕
「買換えの特例」の適用を受けて譲渡益が生じた場合、譲渡価額のうち譲渡益に対応する取得費及び譲渡費用のみを計上して、譲渡所得を計算します。
〔①について〕
譲渡所得の計算において、取得費が不明な場合や実際の取得費が譲渡価格の5%相当額を下回る場合は、譲渡価格の5%相当額を概算取得費とすることができます。
よって、正解は5(%)になります。
〔②について〕
譲渡費用は、取壊し費用90万円に譲渡にかかる費用260万円を加えた350万円ですが、譲渡予定物件は持分割合が2分の1ずつですので、各人が負担した費用を計算するには、譲渡費用も2分の1にする必要があります。
よって、正解は1/2になります。
〔③、④について〕
「買換えの特例」の適用を受けて譲渡益が生じた場合、譲渡価額のうち譲渡益に対応する取得費及び譲渡費用のみを計上して、譲渡所得を計算します。
- a.収入金額
- 4,000万円-3,680万円=320万円
- b.取得費・譲渡費用
- 取得費は「4,000万円×5%=200万円」、譲渡費用は「350万円×1/2=175万円」です。この合計額のうち、譲渡価額に対する譲渡益の割合だけが費用となります。
(200万円+175万円)×(320万円/4,000万円)=30万円 …③の答え - c.譲渡益
- aの金額からcの金額を差し引いた金額が正味の譲渡益となります。
320万円-30万円=290万円 - d.税金の合計額
- 長期譲渡所得の税率は20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)です。譲渡益に税率をかけて金額を求めます。
290万円×20.315%=589,135円
(100円未満を切捨て)589,100円 …④の答え
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