FP2級 2017年9月 実技(金財:生保)問4
問4
はじめに、Mさんは、Aさんに対して、《設例》の生命保険の概要および必要保障額について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な数値を、下記の〈数値群〉のイ~ヌのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。「医療保障や介護保障などを充実させる一方で、最低限の死亡保障は確保しておくことが望ましいと思います。まずは、長男Cさんが独立した現時点での必要保障額を算出し、準備すべき死亡保障の額を把握しましょう。下記<条件>を参考にすれば、Aさんが現時点で死亡した場合の必要保障額は(①)万円となります。
仮に、Aさんが現時点で死亡(不慮の事故以外)した場合、妻Bさんに支払われる死亡保険金額は□□□万円となります。他方、Aさんが不慮の事故で180日以内に死亡した場合の死亡保険金額は(②)万円となります。
また、Aさんが重い病気等で余命(③)カ月以内と判断された場合、リビング・ニーズ特約が付加されているため、死亡保険金について最大□□□万円まで前払いで受け取ることができます。
Aさんが現在加入している生命保険の定期保険特約の保険金額を減額すれば、死亡保険金額を必要保障額と同水準にすることができます。なお、主契約である終身保険は将来の葬儀費用等に活用できるように残しておくことが望ましいと思います」
<条件>
- 現在の毎月の日常生活費は30万円であり、Aさん死亡後の妻Bさんの生活費は、現在の日常生活費の50%とする。
- 現時点の妻Bさんの年齢における平均余命は、38年とする。
- 長男Cさんの結婚援助資金の総額は、200万円とする。
- Aさんの死亡整理資金(葬儀費用等)は、300万円とする。
- 緊急予備資金は、300万円とする。
- Aさんが借り入れている住宅ローン(団体信用生命保険加入)の残高は、1,000万円とする。
- 死亡退職金見込額とその他金融資産の合計額は、2,000万円とする。
- 妻Bさんが受け取る公的年金等の総額は、4,500万円とする。
- 現在加入している《設例》の生命保険の死亡保険金額は考慮しなくてよい。
- イ.3
- ロ.6
- ハ.12
- ニ.140
- ホ.1,140
- ヘ.1,940
- ト.2,500
- チ.3,000
- リ.3,500
- ヌ.4,000
① | ② | ③ |
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正解
① | ② | ③ |
ホ | ヌ | ロ |
分野
科目:B.リスク管理細目:3.生命保険
解説
〔①について〕
必要保障額は次の算式で求めます。
必要保障額=遺族に必要な生活資金等の総額-遺族の収入見込金額
[遺族に必要な生活資金等の総額]
以下の金額の合計です。
6,840万円+200万円+300万円+300万円=7,640万円 …①
[遺族の収入見込金額]
以下の金額の合計です。
2,000万円+4,500万円=6,500万円 …②
以上より必要保障額(①-②)は、
7,640万円-6,500万円=1,140万円
よって、正解は[ホ]の1,140(万円)になります。
〔②について〕
Aさんが不慮の事故により死亡した場合は、次の5つの保険金が支払われることになります。
200万円+2,000万円+300万円+500万円+1,000万円=4,000万円
よって、正解は[ヌ]の4,000(万円)になります。
〔③について〕
「リビング・ニーズ特約」とは、被保険者が余命6ヵ月以内と判断されたとき、生存中に被保険者が死亡保険金などの一部を前払いで受け取れる特約になります。前払いで受け取れる金額は死亡保険金額以下、かつ、3,000万円以下となります。
よって、正解は[ロ]の6(カ月)になります。
必要保障額は次の算式で求めます。
必要保障額=遺族に必要な生活資金等の総額-遺族の収入見込金額
[遺族に必要な生活資金等の総額]
以下の金額の合計です。
- 現在の毎月の日常生活費は30万円/月、妻Bさんの生活費は現在の50%、妻Bさんの平均余命は38年ですから、妻Bさんの生活費の総額は、
30万円×50%×12カ月×38年=6,840万円 - 長男Cさんの結婚援助資金の総額 200万円
- Aさんの死亡整理資金(葬儀費用等) 300万円
- 緊急予備資金 300万円
- 住宅ローンの残高 団体信用生命保険に加入しているので遺族の負担分は0円
6,840万円+200万円+300万円+300万円=7,640万円 …①
[遺族の収入見込金額]
以下の金額の合計です。
- 死亡退職金見込額とその他金融資産の合計額 2,000万円
- 妻Bさんが受け取る公的年金等の総額 4,500万円
2,000万円+4,500万円=6,500万円 …②
以上より必要保障額(①-②)は、
7,640万円-6,500万円=1,140万円
よって、正解は[ホ]の1,140(万円)になります。
〔②について〕
Aさんが不慮の事故により死亡した場合は、次の5つの保険金が支払われることになります。
- 終身保険 200万円
- 定期保険特約 2,000万円
- 特定疾病保障定期保険特約 300万円
- 傷害特約 500万円
- 災害割増特約 1,000万円
200万円+2,000万円+300万円+500万円+1,000万円=4,000万円
よって、正解は[ヌ]の4,000(万円)になります。
〔③について〕
「リビング・ニーズ特約」とは、被保険者が余命6ヵ月以内と判断されたとき、生存中に被保険者が死亡保険金などの一部を前払いで受け取れる特約になります。前払いで受け取れる金額は死亡保険金額以下、かつ、3,000万円以下となります。
よって、正解は[ロ]の6(カ月)になります。
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